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第2話・僕の救世主。 ⑦
気になった僕は顔を上げて井上先生を見た。
そうして、おかしな沈黙を破ったのは井上先生だった。
「これ、俺の番号。俺でよかったら電話してくるといいよ。眠る前でもいいし、ヒマな時でもいいから」
メモ帳をビリリと破って、うわ掛け布団を握っていた僕の手に渡してくれた一枚の、紙の切れはし。
そこには11桁の数字が連なる番号が書かれてあった。
それが電話番号だって気がついたのは、井上先生が次の授業のために保健室から出て行ったあとのことだったりする。
......けっきょく、僕は保健の先生に帰宅するようすすめられ、家に戻った。
夕食を食べて、お風呂に入る。
そうやって毎日の日課を済ませる僕の頭では、井上先生が手渡してくれた電話番号が離れない。
宿題とか、することをし終わった今の時間は夜10時。
何をするでもなく、ベッドの上で布団にくるまって、スマートフォンの画面とにらめっこをする。
その画面には、もちろん11桁の数字が打ち込まれているのだけれど......。
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