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第2話・僕の救世主。 ⑪

 おかげで睡眠不足も解消されて、目の下のクマもだいぶん薄くなった。  彼は僕にとって第二の救世主になったんだ。  そうやって話しているうち、井上先生は一人暮らしをしていることとか、料理がすごく苦手なこととか、たくさんわかった。  学校では、井上先生はカッコいいし社交的だから生徒に囲まれていて、僕はただその光景を見ているだけ――。  でも夜になるとこうして話をして、僕と同じ時間を過ごしてくれている。  それってなんだかとっても特殊な関係だよね。  ものすごく優越感がある。  だって井上先生はものすごく人気なのに、僕とこうして通話してくれているんだもん。優遇されているみたいだ。  僕が井上先生を特別だって思うように、井上先生にとっても僕が特別だって思ってくれているみたいですごく嬉しいんだ。  僕にとって、先生は救世主だから――......。  だけど、僕のこの思いは、ただの独りよがりなんだって気づかされた。

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