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第3話・発覚! コイゴコロ。 ②

 ――彼女。  その言葉に僕の心臓がドキンってした。 「うーん、彼女じゃないんだけど。大切な人からもらったものなんだ」 「それって新先生の好きな人?」 「そうだよ」  女子が問うその言葉に、井上先生は相づちを打った。  その瞬間、僕の体は硬直した。  夜、あんなにたくさん話していたのに、僕は先生に好きな人がいたなんて知らなかった。  僕は先生のことを何もかもすっかり知っていると勘違いしていたんだ。  だけど、僕、ヘンだ。  どうしてそれくらいのことで胸が苦しくなるんだろう。  そうして目頭が熱くなって、泣きそうになっているんだろう。  ――それは、自分が先生の特別だって思っていたからだ......。  ああ、そうだ。  井上先生にとって僕は誰よりも特別な存在だと自負していたんだ。  僕は......井上先生のことが『好き』なんだ。  この感情は井上先生を異性のように想っていた何よりの証拠だ......。  気がついてしまった井上先生への想い。  いつの間にか僕の中で、救世主のアラタさんよりも――ううん、それとは違う、別の『好き』が生まれていたんだ。

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