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第3話・発覚! コイゴコロ。 ⑥
だって、僕は先生にとって生徒で、しかも同じ男同士だ。
恋愛感情が生まれるわけがない。
――それに先生には好きな女性 がいるみたいだし......。
僕と同じ気持ちを抱くハズがないんだ。
ズキン。
そう思うと、胸がギリギリ痛み出す。
鍵がないかと先生が訊いたのは、僕の両親が共働きで家にいないことを少し前に電話で話したのを覚えていてくれたからだ。
僕は苦しい気持ちになりながらも、半分眠っている状態でカバンの内ポケットの中にあることをぼんやりと話した。
意識があったのはそこまでで、僕は先生にすべてを委ねた。
背中にふんわりしたベッドの感触がした。
だから僕は無事、自分の部屋に戻ったんだってことがわかる。
そのまま目を閉ざしていると、誰かが僕の頭を撫でてくれていた。
――気持ちいい。
このままずっと、こうして撫でていてほしい。
僕は頭を撫でてくれている人が母さんじゃなくて井上先生であるようにと願望を抱いたまま、体をすり寄せ、その人に甘えた。
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