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第3話・発覚! コイゴコロ。 ⑧
先生は僕に寄り添ってずっと頭を撫でてくれていたの?
そんな......。
じゃあ、僕は先生に告白したっていうこと?
僕の心臓がドキンと大きく鳴ったかと思ったら、体が凍りついたみたいに動けなくなってしまった。
「……っつ!!」
――バカ。
僕はバカだ。
この想いを秘めていれば、井上先生とずっと通話できていたかもしれないのに......。
気持ち悪いって思われた。
いや、でも恋愛感情の『好き』っていうんじゃないと言えばきっと元どおりに過ごせる。
だけど、僕は限界だった。
あふれてくる先生への想いを隠し通せる自信はもうない。
「ご、ごめんなさい。ごめんなさいっ!」
謝ったところで言葉は撤回できない。
今さらどうにかなるわけでもない。
気持ち悪がられることは決定している。
できることならさっきの時間をなかったことにしてほしい。
そういう思いで、僕は先生の胸板を押した。
そして、これ以上僕を否定されないように自分を守るしかなかった。
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