42 / 53

続・ひつじがいっぴき。 ⑧

 いったい僕は夢の中の僕をどうしたいんだろう。  自分のことなのに、自分がしたいことがわからないなんて......。  ドキドキしながら我慢していると――。  ふいに生あたたかい何かが僕をすっぽりと包み込んだ。 「……っ!」  息が止まる。  自分の身に何が起きているの?  うろたえていると、滑った何かが、反り上がっている僕の形をなぞるようにして、這い回った。  これって!!  まさか咥えられてる!?  そう思った時だった。 「あっ、ああっ!!」  とうとう声は、僕の口から飛び出してしまった。  しかもその声、本当に僕の声!? っていうくらい、ものすごく甘い声だ。  マズい!  新さんに聞かれたかもしれない!!  焦った僕は閉じたまぶたを開けた。  すっかり夜の闇に慣れてしまった目を凝らし、下半身に向けると......。  ――えっ? なんで!?

ともだちにシェアしよう!