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続・ひつじがいっぴき。 ⑩

 ……はあはあ。  僕は息を吸ったり吐いたりを繰り返し、なんとか息を整える。  仰向けになって、力なく横たわる。 「汚いのに......」  まさか新さんがそんなことをするなんて考えてもいなかった。  自分でもその部分を直接触れることをためらってしまうのに、あろうことか、僕のものを口に含むなんて!!  僕が軽くショックを受けていると、新さんは静かに口をひらいた。 「汚くはないよ。想っている君自身なんだから......」 「……やっ!!」  恥ずかしい。  恥ずかしすぎるっ!!  顔なんて合わせられるわけがない!!  僕は両手で顔を隠して、ひたすら羞恥に耐える。  すると新さんは顔を覆う僕の手を耳の隣に固定した。  ものすごく自然にやってのけるものだから、大人しく従ってしまった。  いくら薄暗いとはいえ、目が慣れた今では新さんの顔がバッチリ見えるわけで......。

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