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続・ひつじがいっぴき。 ⑪

 恥ずかしすぎて目から涙がじんわり出てきた。 「なんの疑いもなく俺の隣で眠る無防備な君がとても可愛くて――どうにも我慢ができなかったんだ」  新さんは僕の寝込みを襲ったにも関わらず、悪びれもしないで僕の両方のまぶたにキスを落としてきた。  じゃあ、じゃあ、今まで新さんの隣で寝るたび、いかがわしい夢を見たのって欲求不満とかじゃなくって、現実だったの……?  そう思ったら、恥ずかしい気持ちは少しずつ消えて、代わりに驚きの方が膨らんでいった。 「僕......てっきり夢かと思っていたんだ......。欲求不満なのかもって思って、新さんに気づかれたら気持ち悪いって思われるって必死にガマンしてたのに......」  ――どうしよう。  寝込みを襲われたっていうのにものすごく嬉しいって感じるなんて――。  だって新さんにとって、僕は性的対象だったってことだ。  でも新さんだから嬉しいって思うんだ。  他の人なら寝込みを襲われるとかそんなのイヤだ。

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