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第8話

「桃城は今頃…海堂の病室かな?」 「…その件に関してはもう口にしない約束だろ?不二。」 全ての部員が帰宅した後、部室に残っているのは大石、不二、乾の三人だった。 「うんだけどね…」 そう言いながら、不二は俯いている大石に視線を向ける。 「このままの状態だと…やっぱり大石も辛いんじゃないかな?」 「俺の…せいなんだ…」 「大石、あの時そうなってしまったのは仕方が無い事だろ?」 乾が大石の肩に触れる。 「だけど…俺があの時桃城に仕事なんて頼まなければ…」 「…海堂が事故に遭ったあの日、俺は大石先輩に仕事を頼まれて、お前との約束の時間に間に合わなかった。」

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