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第0.2話
近付いてきた矢吹の整った顔。最初は探るような優しいキスだった。段々と身体の力が抜けていく。それを悟られたのか、今度は唇を滑らかな舌が這う。
「……んっ!?」
ここまでされるとは流石に思っていなかった。止めさせようと口を開くと、今度は矢吹の舌が入ってきた。
「んっ…ふっ…ちゅっ……んぅぅっ……」
上顎を優しくなぞられて、甘い声が漏れてしまう。
なにっこれ……きもちいいっ……こんなっ男同士なのに…!
「…な、生々しいな……」
「ヤダ、こっちまではずかしくなっちゃうっ」
支える手が優しく項を撫で、背中から腰までをまるで愛撫するようにゆっくり往復する。周りの声なんか、俺には届いてなかった。
「っは、っはぁ、」
「意外とイケるもんだな。」
「っ俺!トイレ行って口濯いでくる!やっぱ、男とはムリだわ〜」
「っはは、雅人振られてやんの〜」
顔が、アツイ。いや、顔だけじゃない。熱が集まって少し芯を持ってしまっているのがわかる。男だからこその力強さと優しく包まれる事に、今まで感じた事のない心地良さがあった。
「先、進めといてくれて良いからっ」
顔を上げる事も出来ずに素早く部屋を後にする。
長めのニットを着てて良かった。こんな、男とのキスだけで勃ってるのがバレたら恥だ…っ
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