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第6話
身体の芯が蕩けるようなキス……今まで女の子相手にしてきたのが、まるで子供の戯れだと言われたようだった。お互いの気持ちよさや呼吸、液を共有して、その全てを蕩ける快感に変える。触れている場所だけじゃない。全身が、心が、脳までもが気持ちイイと叫んでいる。
「名前、呼んで。」
「こんの…さん?」
「名前だよ。苗字じゃなくて、名前。その上擦ったあまい声で、聞きたい。俺の名前。」
「んっ……」
すっかり衣服を取り払われた俺は、生まれたままの姿で紺野さんに愛撫されていた。程よい温もりはどこを滑っても心地良い。耳元で囁かれると洗脳されているかのように、従ってしまう。
「…んっ、……たか、あき…さんっ、」
「そうだよ、隆明だよ。今、太一くんを気持ちよくしてるのは、隆明だよ。」
「きもち…よく……?」
「気持ち良いでしょう?こうやって、脇から腰をゆっくり、軽く撫でられたり…」
「んんっ…」
「内腿にキスして…軽く歯を立てて…優しく舐めて……」
「あんんっ、ダメ…んっ、…あぁっ……」
ゆっくり、焦れったく愛される。そこに本当の愛や気持ちは無いけれど。確かに俺は、この人に身体を愛(撫)されてる…。
「っふ、まるでもう挿ってるみたいな反応…。君の感じてる顔だけでイけそうだよ…ちゅっ」
「んっ…だって、たかあきさんがっ…」
「俺が、なに?」
「…っ、隆明さんが、触るとこ……きもちイイんだもんっ…」
「……今の、煽ってると思われても仕方ないよ。」
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