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第24話

 「っよ!珍しいな、篠崎が社食って」  「あ、立花部長。お疲れ様です。」  心做しか弾む心で仕事がすぐに終わり、早めの昼食を取りに社員食堂へ来ていた。普段は節約の為に自炊をしていて、残ったおかずや簡単に出来る物を詰めて、弁当として持って来ていた。ここへ来るのは入社初日以来。初めてに近い。  「部長こそ、今日は彼女の愛妻弁当じゃないんですね。また喧嘩でもしたんです?」  「そうなんだよ聞いてくれよ〜」  立花部長は、俺が入社した時の教育係だった。これまた部長もイケメンで、でもただ見た目が良いだけじゃなく、教え方も優しくて凄くわかりやすい。それに、なんと言っても立場を振りかざした接し方じゃなく、良くいえば友達のような親しみやすい方だ。  「あ〜違う違う。それより聞きたい事があったんだ。篠崎、カノジョ出来た?」  「…へ!?」  「あ、その反応はやっぱりビンゴだ〜」  「なっ!何言ってるんですか!彼女だなんてそんな…っ」  部長はプライベートもオープンな人で、彼女との些細な喧嘩話や最近行ったデートスポットまで、色んな人に色んな話をしている。単に自慢したいだけなんだろうけど。今回もそうだと思ったのだが、部長は突拍子もない事を言い出して、思わず立ち上がってしまった。

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