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第26話

 ま、何にしても仕事に支障がないように、気楽にね〜と、昼食を取りに来たはずなのにヒラヒラ手を振って部長は立ち去った。その足は隣の購買部に向かっていて、きっと俺に考える時間をくれたのだろう。  恋に落ちる……本当に俺は落ちてしまったのだろうか…  もし本当に隆明さんを好き…だとして、隆明さんはどうなんだろう。まだ会うつもりなら、少なからず嫌われてはいないはず。  嫌われたくは、ないなぁ……  食事の手も止まり、ただ茫然と今後の事を考えた。  隆明さんとの時間はとても暖かくて楽しくて、このままそれが当たり前になれば、なんて考えたくらい手放したくない。  けれども、俺は隆明さんに言っていない秘密がたくさんある。  きっとそのどれもが些細な事で、気にするほどではないのかもしれないが、知られてしまえばその瞬間から、隆明さんとの時間が終わってしまう気がしていた。

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