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第30話
気持ちを自覚した俺は、今朝まで隆明さんとどう接していたか急にわからなくなった。
食事中、ふと顔を上げたら見つめられていて、録な反応も出来ず、これ美味しいです!なんて視線を逸らした。リビングの二人掛けのソファに座れば、昨日と変わらないはずのこの距離も、途端に近過ぎる距離に感じ、もじもじしてしまう。
「太一くん、身体はもう平気?」
「へ!?」
「初めてだったのに手加減出来なかったからね。」
もしかしたら、隆明さんは普通の“お友達”として俺と過ごすつもりなのかもしれないー
と、一瞬でも考えたのだが、どうやらハズレらしい。
言いながら隆明さんは俺の肩に腕を回し、その手で頭をポンポンと撫でる。その声は色気が纏っていて、さっきまでゴチャゴチャ考えていた俺の思考はとろとろに溶かされた。
「あの、大丈夫…なので……」
「誘ってるの?」
「………はい…」
ああもう可愛いなぁ、なんて抱き締められた。
告白なんてどうでもいいや。今はこの人に触れていたい。
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