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第39話
「だから、そう言うの通用しない人なんだって。」
「そうか?内容にもよるけど、誰でもサプライズは喜ぶもんだと思うけど。」
俺はマサのこう言う所にも惚れてたんだ。チャラチャラしてて、女の子取っかえ引っ変えしてたけど。ちゃんと女の子が喜ぶ事を考えて、サプライズとかしてあげる。お前も相当マメな男だよ。
「わかった、太一携帯貸せ」
「え、なんか嫌な予感がするんだけど…」
「きっと良い方向に転ぶって!多分。」
多分って…と言いつつ携帯を差し出してしまう俺は、結構参ってる。どんな形でも良い。少し会えるだけでも良い。触れ合えなくても、話せなくたってその姿が見れるだけで良い。
「前に送ったメール、返信無かったんだけど、」
「だーいじょうぶだって。」
不用意にこの関係をバラしてしまうのは抵抗があり、何が起きるかわからないので予め電話帳の名前を“紺野さん”にしておいた俺は偉いと思う。
「よし、送信完了。返事来たらまた教えろよ。」
「ん。」
こんなんでほんとに良い方向に転ぶのか?
“構ってくれないと、浮気しますよ”なんて―
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