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第45話
「自分で言ったんじゃないですか、週末セックスする為だけの相手に、出張中猫の面倒見てほしいって。」
「…………ごめん、とりあえず冷静になって話聞いて貰えるかな?」
「冷静にってなんですか?俺冷静ですよ。」
あ、沈黙。酷いことを言ってる自覚はある。でも、だって、俺だってもの凄く傷付いたんだ。だからって誰かを傷付けて良い理由にはなんないのはわかってる。俺って相当子供だ……
「……もしかして、なんだけど、初めてここに来た日の事、あんまり覚えてない?」
声が少し震えているような気がするのは、きっと俺の気の所為。だって隆明さんは、俺のこと特別には想ってくれていない。
「それなりには覚えてますよ。いつ寝落ちたとかまでは曖昧ですけど、」
「そっか、それでかぁ……」
「それでってなんですか?」
大きなため息が聞こえ、それまで手元の子猫にやっていた視線を隣に移した。さっきまで膝を少しこちらに向けて、ソファの背凭れにも付いていない姿勢だった隆明さんが、今は項垂れるように深く背を預けていた。
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