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第49話

 「そう言えば、連絡がない間何してたんですか?」  「あれ、言って無かったかな?実家に帰って色々してたんだ。」  「実家、ですか?」  思えば、隆明さんと俺はお互いの事を余り知らない。誕生日や出身地、どんな仕事をしているのかさえ。  隆明さんは元からお金持ちのような買い物ぶりだから、きっと実家も大きいんだろうなぁ。俺はごく平凡な一般家庭だから、なんだか急に恥ずかしくなってきた…。  「俺の祖父が起業していてね。結構大きな会社なんだけど、先週倒れられて、代表を降りる事になったんだ。」  「お爺さんが…大丈夫だったんですか?」  「命に別状はないよ。ただ、まあ結構な歳だからね、やっと父に代表を譲る気になって、その手伝いやパーティにも参加しないといけなくてね。早く太一くんに会いたくて堪らなかったよ。」  「ほぇ…お金持ちなんだろうな、とは思ってたけど、隆明さんのご実家、かなり凄いお家なんですね。」  代表が変わるとパーティまでするんだ…隆明さんはきっとカッコイイタキシードなんか着て、平然とシャンパンとか飲んでるんだ。絶対モテただろうなぁ……

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