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番外編2

 「隆明さん、それって犬用じゃないですか?」  「うん。でもチャチャに似合いそうだし、可愛いから良いでしょ。」  俺達は親馬鹿…いや、猫バカと言うべきか、出先でペットショップへ寄る事が習慣化しつつある。中でも、隆明さんは“チャチャに似合うから”と犬用の服やアクセサリーもぽいぽいカゴへ放り込んでしまう。  「猫って服着てくれるかなぁ……でも、可愛いから良いか。」  「太一くん、このデザインだとどっちの色が良いかな?」  「んー、チャチャならこっちじゃないですか?」  「そうだね、じゃあこっちのデザインもこの色にしよう。」  俺は俺で、猫用の玩具やグッズを物色する。  「!隆明さん隆明さん!これ、この前テレビで見たやつじゃないですか?」  「ん?あ、そうだね。意外と安いなぁ。」  留守の間、決まった時間に餌や水を与えてくれる物や、センサーで玩具を飛ばして自動で遊んでくれる物、ペットがいる家専用のお掃除道具など、便利道具が並ぶ片隅にそれはあった。  「俺、半分出すんで、これ、買いませんか…?」  「買おうか…買っちゃうか…」  「だってこんなの、買うしかないじゃないですか!出先でもチャチャの様子が見られるなんて…!」  それは小型のカメラが付いた機械で、携帯のアプリを操作すれば、いつでもどこでも家の中の様子、つまりペットの様子が見られるという物。  気になってたんだ、俺達が留守の間、チャチャは一人で何をしているのか。たまにティッシュボックスからハミ出るボロボロになったティッシュとか、捲れて床が露になったカーペット、ソファから落ちて散乱しているクッションなど、その痕跡は見られるものの、実際にその様子を見た事がなかった。  「早く帰って設置しましょう!」  「太一くん、俺が帰って来た時より目が輝いてるのはどうなの?妬いちゃうよ?」  「何言ってるんですか、早く早く!」 ―――――  「わ!映ってますよ!隆明さん!すごい鮮明!あ、それにこれ、録画も出来るんですね〜!」  「君がそんなに猫好きだったとはね。放ったらかしにされてる俺は夕飯の準備でもしてますよ〜」  すごいすごい!って騒いでたら、隆明さんが拗ねてキッチンへ行ってしまった。  俺がこの小型カメラをどうしてもと購入したのには、訳がある。  ここ最近はずっと隆明さんのお家に泊まっていて、当然俺はチャチャと遊んだりするんだけど、隆明さんが遊んでる姿を見たことがない。 俺の推理では、先に帰宅する隆明さんは、俺が帰宅するまでの間、これでもかとチャチャと遊んでいるんじゃないかって。  隆明さんのそんな姿が見られるのなら、これは安い買い物だ!  ―結果、隆明さんがチャチャと遊んでいたかどうかは、俺だけのナイショ。  でも、やっぱり隆明さんが好きで、すごくすごく愛しいなぁ、って思えたから、買って良かったな。 end

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