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第73話
「隆明さん、ここがご実家ですか…?」
「そうだよ」
「ほわぁー」
「ふふ、変な声が漏れてるよ。」
「やっ、だって!」
隆明さんの運転する車で連れられて来たのは、レンガ調のお城みたいな大きなお家。庭は沢山の綺麗な花で咲き乱れ、都会の薄汚れた空気の中でさえ、この空間だけはそれに負けず綺麗だと思える。
「なんか……やっぱりスゴイですね、」
「そう?この辺の家はみんなこうだよ。」
周りを見渡して見ると、確かに普通の戸建てより大きくてキラキラ輝く家が沢山建っている。この環境で育ったからこそ、隆明さんの今の価値観があるのかもしれないと納得した。
「さ、立ち話はここまで。寒いし早く中に入ろう。」
「はい。」
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