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第74話

 「お邪魔します…」  今夜、隆明さんが御家族に俺を恋人として紹介してくれたら、昨夜の出来事は忘れる事にする。昨夜俺が見たのは、隆明さんの本意では無かったと。  そうでなく、友達として紹介されたら……帰宅後、隆明さんに問い詰めようと思ってる。  あの女の子は誰?あの子と付き合うから俺は友達なの?もう別れるの?って、みっともなく縋りつこう。  隆明さんの御家族に反対されて別れるのなら、それはそれで良い。俺は最後まで浮気の真実を知らないままに終われるのだから。  隆明さん、大好きだよ。  例え俺たちの関係がここで終わるとしても。  隆明さんと付き合えたこの数ヶ月は、大切な宝物。  「初めまして、篠崎太一です。」

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