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第81話

 「それじゃあ、改めて自己紹介しましょ!」  テーブルの上にお子様用のプレートが2つ。と、俺たちの目の前にはカルボナーラパスタにビーフシチュー、香ばしい香りの漂うバケットやサーモンのカルパッチョも用意されている。  この豪華な食卓を前に、綺麗に配膳し終えたお母さんがパンっと手を叩き声を上げた。  「えぇー食べようよぉ。俺今日朝から部活だったんだよー」  「アヤたちもお腹空いたよぅー」  次々と抗議する子供たちをあしらい、お母さんはまず隣に座るお父さんに目を向けた。  「なんか恥ずかしいなぁ、えー、父の秀明です。」  「母の亜子でーす。太一君は気軽にアコさんって呼んでね。」  「ふふ、はい。」  もう見るからに優しいお顔の2人。雰囲気から似ていて、2人はなるべくして夫婦になったんだなぁ、ってホッコリする。  「じゃあ俺の事はアキって呼んでよ!」  「うん。」  「俺はどうしよっかなぁ、タカ兄がたぁくんだから、たいちのちを取ってちーくんにしよう!ね、良いでしょ?」  俺の右隣には普通に食事を楽しんでいる隆明さん。左隣にはお腹空いたと言いつつ、食事には手を付けず俺の呼び名を考えるアキくん。  本当に弟が、家族が出来たみたい……

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