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第91話

 次の日、隆明さんは宣言通りに色んな話をしてくれて、お菓子を並べて紅茶を飲みながら、ゆっくりまったり二人の時間を過ごした。  昨日みたいなアブノーマルなプレイは、隆明さんの趣味かと思っていたが、実は俺の過去に付き合っていた女の子への嫉妬だった。  「だってさぁ、太一くんの高校時代なんか俺見れないんだよ!?青春真っ只中の可愛い太一くんと付き合えた女の子狡くない?羨ましいよ〜」  「はは、隆明さん、飲んでないのに酔ってる…?」  「太一くんは自分の可愛さに気が付いてないんだよ。こうやって大の大人が、君の可愛さに身悶えるなんて、相当可愛くないとだよ。」  「そんなに連呼しないでよぅ…」  可愛い可愛いとそんなに言われても、未だにこんな俺のどこが!?って思うし、隆明さん実はあんまり見る目ない?とも思う。でも、気持ちはわからなくはないかな……。  「おれも……、隆明さんのこと、かっこいいな〜すきだなぁ〜って、思ってますよ。言わないだけで。」  「〜っ!!!」  「へへ、これからはちょっとだけ、言葉にするように努力しようかなって。」  さっきから俺を足の間に捕まえて、後ろから抱き着いて離さない。隆明さんの好き好き可愛いオーラがダダ漏れで恥ずかしいけど、こんなにも俺は愛されてるんだぁ、って、むず痒くなる。  隆明さん、俺ね、大好きなものって、いつか失うものだと思って怖かった。けど、隆明さんは、いつまでも俺の傍に、いてくれるよね……  「すきです、隆明さん。ずっと。」  「俺は太一くんのこと、愛してるよ。」  「…っう、お…おれも、あい…して、マス……」  「真っ赤だ。ほんっとうに君はかわいいなぁ〜」  死ぬまで一緒に、ってよく言うけど、俺達もそうだったら良いなぁ。

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