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第93話

 「そう言えば、マサ達もクリスマスには遠出するって言ってました!やっぱり、こう言うイベント事って違う事がしたくなるんですかね…?」  「俺達も、夜はいつもと違うコト、してみる?」  「しっ、しません!いつも通りで良いですっ!」  「あ、セックスはしてくれるつもりなんだ?」  「もうっ!隆明さんのバカ〜っ」  運転する隆明さんの横顔を見ながら話をしていたが、拗ねてますアピールをするために窓の外へ視線を向けた。  俺は最近、少しだけ、勇気を出して好きだとかキスしてだとか、伝える努力をしてきた。だけど、やっぱりまだド直球に言われるとどう反応して良いのかわからず、慌てふためいてしまう。こういうところが可愛いと言われてしまう謂れなんだろうか。  隆明さんは余裕そうな顔をしているから、きっと俺以外の過去の恋人にも言ってきたんだろうなぁ。このクリスマスの旅行だって、きっと俺が初めてじゃない。俺は、旅行自体が初めてなのに……。  うー、考えたくはないけど、最近どうしても気になってしまう。俺の処女…は隆明さんに捧げたけど、隆明さんの初めてって何か貰っただろうか。

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