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第104話

 「……あ、マサ…」  「よう。」  メールでマサに時間が欲しいと伝えると、OKと一言で返事が来た。絵文字や顔文字もない、素っ気ない返事にマサがどんな心境なのかが全く図れなかった。  待ち合わせ場所に選んだ公演の前で蹲るように座っていると、普段とあまり変わらないマサが現れた。  「あ、えっと……とりあえずベンチ、座る?」  「マナがもう少しで起きるから、そんなに時間取れないけど。」  「うん、なるべく簡潔に…話すよ…。」  マサと並んでベンチへ座ると、やはり二人の距離は離れていて、そうだよなぁ、この反応は当然なんだよなぁ、と心がぎゅっと苦しくなる。  「へんなとこ、見せてごめんな。俺、あの人と付き合ってんだ。」  「そんなの見たらわかる。……いつからなんだ。」  「えっ…と、マサに相談してたのは、全部本当だよ。性別を黙ってただけで……」  早朝の静かな公園に、自分のドクドクと言う鼓動が鳴り響いているんじゃないかと錯覚する程胸が騒がしい。  マサ、俺に友達だと言ってくれたその口で、何を言おうとしているの……

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