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第111話

 「あの、もう話ついた事なので、あんまり怒らないでくださいね…?」  「え、怒られるような内容なの?」  「うぅん……どうなんだろう、場合によっては……?」  「善処しよう。」  部屋に戻ると、敷かれていたままだった布団が綺麗に片付いていて、朝食が用意されていた。俺はそれに目もくれず、隆明さんの両手を握って話し出した。  「なんて言うか、俺が隆明さんと付き合っている理由をなんて話せば良いのか、頭が真っ白になって、勢いで言っちゃったんです、マサが結婚するまで、俺はマサが好きだった事。」  「うん。」  「そしたら、本当はマサも俺のこと……好きだった、みたいで……」  「…うん?」  「でも、今の俺は隆明さんが好きで、ずっと隆明さんの隣に居たいからって、ちゃんと伝えました。」  「そう……」  話終えると、隆明さんは何も言わずに抱き締めてくれた。でもやっぱり良い気はしないのか、数回ため息を吐いた。その息が首元に滑って、だんだん変な気分になってしまう。  ダメだよ、今日は色んなお店を見に行く予定なんだから……。

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