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Die ー3ー

「え?」 ここは天国ではない。 天帝は確かにそう言った。 じゃあなんだ?地獄へ案内でもするつもりだろうか? いや、そんな悪いことはしてない……はず…… 「そんなに絶望した顔しないでください。 私は貴方に頼み事があってここの別室へ呼んだのです。」 「頼み事?」 「はい、貴方に天使の役目を担ってもらいたいのです。」 「………は?」 天使?天使と言ったら先ほどの浅倉ではないのか? なんか死んだ人を天に導くとかなんとか…… 「先ほど貴方もお会いになったでしょう? あれを貴方にも担ってもらいます。」 「は?なんで?てかめんどくさそうだから嫌なんだけど。」 「詳しいことは先ほどの浅倉にお聞きになってください。 ではご武運を……」 一方的にそう告げると天帝は消えてしまった。 なんて勝手な神様なんだ。 そう内心で舌打ちをしていると一瞬にして現世へと引き戻された。 そこは元いた場所ではなくどこかの古いアパートのようだ。 「どうもまた会いましたね。」 「うわっ‼びっくりした。」 いきなり背後に現れた先ほどの浅倉。 相変わらずの胡散臭い笑顔だ。 「驚きましたよ。 まさか天帝が貴方を教育しろと言うのですから。」 「あの、なんで僕ここに…… と言うかここ何処ですか?」 「ここは今日から貴方の家となる場所です。 今から貴方は″時川颯真(ときかわそうま)″として暮らして頂きます。 そして我々の仕事である天使の仕事を担って頂きます。」

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