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Angel ー2ー
端整な顔の若い男性だ。
「あ~俺ここに住んでる、笠原礼司 、大学生です。
君は?」
「えっと……やづ…じゃない。
時川颯真です………」
「颯真君?高校生?」
「はい、いや……違います……」
高校にはもう通ってないから高校生ではない。
じゃあ今の自分は何だ?
天使……なんて言えるわけ無い。
「えっと……じゃあ中学生か?」
「違います。」
中学生だなんて失礼な……
「じゃあ君いくつ?」
「17です……」
「じゃあやっぱ高校生じゃん。」
「高校は行ってないので。」
そう言うと笠原は驚いた表情をした。
そんなに変なことだろうか?
義務教育は中学で終わりだしこの年齢なら就職出来ると言うのに……
「そう言えばご両親は……
一応挨拶したいし。」
「いえ、一緒に住んで無いので……」
「え?一人?」
「はい。」
この答えに彼は凄く切なそうな顔をした。
同情されてるんだと思うが正直そう言うのは好きじゃない。
だって結局可哀想だと思うだけだから。
いつだってそう。
どう足掻いても、何も変わらないんだ………
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