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Person ー3ー
「えっと……笠原…さん?」
「そう、良かった覚えててくれたんだ。」
「まぁ……」
嬉しそうに笑うからどうしたら良いのか分からず目を反らした。
人と関わるのは苦手だ。
「それでさ、君お昼食べた?」
「いえ、まだですけど……」
「良かった、じゃあ家来ない?
一人で食べるのもあれだから君が来てくれると嬉しいんだけど。」
「え、えっと……いい、ですけど……」
「そう?良かった。」
本当はこう言うの好きじゃ無いんだけど断るのも苦手だ。
笠原に招かれ隣の部屋へとやって来る。
こちらの部屋は本が多い。
大学生と言っていたから参考書とかが多いだろうか。
「ごめんね散らかってて。」
「いえ……」
「颯真君って高校行ってないって言ってたから
働いててもしかしたら留守かとも思ったんだけど。」
「明日から一応バイトです。」
「そうなんだ。」
笠原はキッチンで作業しながら颯真と話をする。
まぁ9割笠原が喋っているのだけど。
そしてキッチンから戻ってきた笠原の手にはチャーハンの乗ったお皿が二つ。
「あまり美味しいとは言えないけどどうぞ。」
「ありがとうございます。」
一口、口に含むと意外にも結構美味しい。
思わず笑みが溢れた。
「美味しい。」
「良かったを
君って口数少ないしあんまり笑わないから嫌われてるかと思た。」
「そんなこと……元々そう言う性格なので。」
「そっか………」
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