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Person ー7ー

そして浅倉は昨日と同じようにあの世とこの世の狭間に立ち死期が目前のその人を見つめる。 そこで見たものは待って‼と男性を追いかける女性の姿。 だがその直後に女性は大型トラックに轢かれて亡くなった。 即死だった。 「ご愁傷さまです早川愛美さん。」 「何よ、これ…… 私が血まみれ……」 「貴女は事故でお亡くなりになりました。」 「何ですって。」 彼女はどうやら自分の死を受け入れられずパニックになっている。 突然で即死だったから無理もないのかもしれない。 けれど……… 「冗談じゃないわ、なんで私が…… 全部あいつらのせいよ‼ あの女が私の彼を誑かすから!! あの男もあの男よ。 あんな女に引っかかるから。 許さない……許さないわ!!」 「!? これは少々まずいですね。」 「え?」 「いるんですよ。 この世に未練を残し誰かを恨む者…… 怨恨が一番面倒なんですよ。」 そう呆れる様子で言うと浅倉は女性に近づいていった。 「お嬢さん、貴女もうはお亡くなりになられました。 そろそろ天へとお還り下さいませ。」 「何よ、あんたなんかに関係ないでしょ。 ほっといてよ‼」 「そうはいきません。 私の仕事は死者をあの世に無事に送り届けることです。 それに恨みは貴女のその美しいお顔を台無しにしてしまいます。 私は笑顔の愛美様がみたいのです。 どうです?見せて下さいませんか?」 「え?あ……」 甘い言葉を囁いてまるでホストのようだ。 普段は胡散臭い笑顔をしている浅倉だが、顔はいいから真剣な眼差しで迫られれば女はいちころで落ちてしまう。

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