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Shocking ー6ー

『どんなに辛かろうが自殺なんて選んではいけない………』 その言葉が心に深く突き刺さる ずっといじめや虐待に耐えてきた 暴力を受けるたびに何度死にたいと思ったことか……… でも死ねなかった 電車のホームや建物の屋上でこのまま飛び降りれば 楽になれると何度も考えたけれど どうしてか死ぬのが怖くて出来なかった 今思えば死ねなくて良かったんだと思った 自殺した人を見るとあんな風にはなりたくないから それと同時に彼らが救われないのだと分かって 他人のことなのに凄く苦しかった そんな颯真の心情を察したのか浅倉は苦笑いを浮かべる 「まぁ、お気持ちは分かりますがむやみに目を合わせたり 関わってはいけません こちらが彼らに引きずり込まれて戻って来られなくなります」 「………!?」 戻って来られなくなるとは一体どういうことなのか……… 「引きずり込まれれば魂を壊されこの世を彷徨うだけの亡霊と なり果ててしまいます」 そうなってしまえば天に還ることが難しくなる 「まぁ、自殺者はいたるところにいるのでね 目を合わせるなと言う方が難しいです ですから視えなくしてください」 「視えなく?」 「ええ、今からその方法をお教えします」 そう言うと浅倉は颯真の額に手を当てた

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