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第128話
「ミキ、髪乾かしてやるから」
前に座らせドライヤ-で乾かしていくと段々と手触りの良いふわふわの髪に変わっていく、この時間も好きだなと思う。
「ミキ、ほら、乾いたぞ」
頭のてっぺんにキスする。
「伊織さん、ありがと」
可愛い返事に、背後から抱きしめ
「今日で最後の夜だ。遅い夕飯になったが、バルコニーで夜風にあたりながら食べるか?」
「はい、何かロマンチックですね」ふふふ
用意していたワイン.ツマミ.ル-ムサ-ビスのミックスサンド.フライドポテトを持って、バルコニ-のテ-ブルに並べるとそれなりに豪華に見えた。
向かい合わせに座り、ワイングラスを持ちカチンと合わせる。
「腹減っただろう?」
隣に椅子を持ってきて
「うん、空いたぁ。伊織さん、何食べたいですか?」
「そうだなぁ、ミックスサンド貰うか」
「はい、あ〜ん」
てっきり取ってくれるのかと思っていたら、俺の口元にミックスサンドを持ってきて口を開けるのを待っているが俺は照れて
「ミキ、普通に食べれるから」
「だめ、食べさせたいの。ね、はい。あ〜ん」
ミキは2人っきりの時はイチャイチャするのが結構好きだ、こういうのは恥ずかしがらない。
でも、玄関先でのチュウや理性がある時のセックスは恥ずかしがるが、夢中になると大胆になる、何と言うかギャップ萌えか?
付き合い当初は恥ずかしがっていたが、寂しがり屋で甘えたのミキだから、元来こういうイチャイチャで甘えるのが好きなんだろう。
俺は逆にこういうイチャイチャはミキ相手ならやりたいし好きだが、恥ずかしいんじゃなく柄にも無いのが解るから照れてしまう。
「解った。あ〜ん、美味い。ミキも食べてみろ」
口を開けて待ってるから食べさせると
「本当だ、美味しい」
こうしてミックスサンドとポテトはお互い食べさせ合い、ツマミとして用意していたポッキーは、端(はじ)から食べ合い、最後は唇が触れる。チ-ズは口移しで食べる事になり、これも唇が触れるから、何度キスしたか解らない。
照れてワインも進むが、このイチャイチャ堪らなくいい。
ミキも旅行最後の夜で開放的になってるのか、ワインで酔ってるのか解らないが、いつもよりラブラブモ-ド全開で甘えてくる。
なんて可愛い生き物なんだ。
可愛さを通り越して食べてしまいたくなるレベルだ。
俺は終始デレデレしっぱなしになった。
「ミキとの初旅行も今日で終わるが、どうだった?」
ワインを1口飲んで
「凄く楽しかったです。シュノ-ケルでの海の中もサイクリングも海辺の夕日も全部楽しかった。でも1番は伊織さんと旅行に来れて、ずっと一緒に居られる事が1番嬉しい」
ふわりと天使の顔で微笑む。
綺麗だといつも思う。
俺は何度ミキに恋をすれば良いんだろう、いや惚れ直すが正解かどちらにしても、この思いは永遠に続くんだろう。
俺をずっと虜にする、それもまたいい。
「俺もミキを独り占めできて凄く嬉しかった。また、どこかに旅行行こうな」
「はい、今日でこの海とも見納めですね」
「ミキは海が好きだなぁ」
「そうかも、山より海かなぁ。青い海と白い雲で、何か開放的に慣れるし、見てると皆んな楽しそうにして、それを見てるだけでも楽しくなる」
「そうか、俺も学生の頃以来だなぁ、こんな楽しい夏休みを満喫し過ごしたの。学生の頃は祐一達とバカやってたが、社会人になってからは初めて楽しいと思った。これもミキと出会えたお陰だな」
俺の座ってる膝に乗ってきて首に手を回し、向かい合わせになり
「伊織さん、俺こそ楽しい夏休みありがとございます」
ミキからのちゅっと軽いキスされ、胸に顔を埋めてくる。
その可愛い仕草にギュっと抱きしめる。
「ミキ、愛してる」
耳元で囁く。
セックスの後でお腹いっぱいになり、酔いもあるのか眠そうにうつらうつらしている。
「…ん…伊織、…大好きぃ…あい…」
俺の腕の中で眠ってしまった愛しい人の顔を頬を緩めて暫く眺めていた。
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