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第143話

目を覚ました時には抱きしめられていた。 そっか、昨日お風呂入って髪乾かして貰って…その後記憶がない。 伊織さんベットまで運んでくれたんだ。 優しい伊織さん。 暫く寝顔を見ていたけど起きそうも無い。 いつもなら伊織さんの方が早く起きるのに、昨日のセックスで余程疲れたんだ。 その後俺のお世話もしてたんだから申し訳ない。 責めて、朝食作ろうとそぉっと起き出し、散らばってる服を片付けながら部屋着を着る。 伊織さんの脱ぎっぱなしのス-ツを片付けようとブラシを掛けていた時、ガサっとポケットから音がした。「?」 ゴミかとポケットを漁るとピンクの名刺が出てきた。 会社関係か?失くすとマズイと思ってポケットに戻そうとした時にピンクの名刺が珍しく好奇心で見てしまった。 キャバクラ Queen 〜美優〜 ご丁寧に携帯番号と連絡してね。と書いてあった。 ムッとして名刺を破り捨てようかと思ったが止めた。 ス-ツをクロ-ゼットに仕舞い、朝食に取り掛かった。 簡単に食パンを焼き、ベ-コンとオムレツ、ヨ-グルト。 20分程して伊織さんが起き出して来た。 「おはよう。ミキ、朝食作ってくれたのか?ありがと」 おはようと言っても昼近い、ミキはソファに座っていてテレビを見ていた。 返事が無いのに変だなと思ったがテレビを見てるからだと思った。 朝食を食べようと座るとテ-ブルには1人分の朝食が置いてあった。 「ミキ、食べたのか?」 *♪ピロ〜ン 俺のスマホだ。LINE?こんな休日に誰だ?とLINEを開くと。 *♪おはようございます。俺は食べましたから、どうぞ*♪ ミキからだ。 何でそこに居るのにLINE?何が何だか解らず困惑し、ミキの方を向き、テレビを見てる後ろ姿に声を掛ける。 「ミキ、どうした?風邪か?」 *♪風邪は引いてません*♪ 「?」何だ。 取り敢えず後で聞くとして朝食を食べようとコップに注いてある牛乳を飲もうと手に取ると下にピンクの紙が有った。 何だ?紙を手に取り見るとキャバ嬢の美優の名刺だった。 マズイ、忘れてた。 名刺をポケットに入れられた事を思い出し、ミキが見付けた事を瞬時に悟った。 変だと思っていたミキの態度とLINEは、これが原因か。 直ぐに破り捨て無かったのを後悔し、そんな暇も無かったなと思った。 朝食を食べながら、さて、これからどうやってミキのご機嫌を取るか考えた。 怒ってる事は怒ってるんだろうが以前のミキなら何も言わず帰っていたか、見てもそのままし1人で悩み耐えていただろう。 こうやって、嫌な事は嫌と少し意思表示する事ができる様になった。 少しずつ成長してると思ったが、まだまだ俺には物足りないくらいだが。 どうせなら、嫌味の1つも言ってくれれば良いがそこまではまだハ-ドルが高いらしい。 だから、LINEか?ほんと面白い事をするミキが可愛い。 少しミキに付き合うかと考え *♪ご馳走さん。美味しかった*♪ *♪そうですか*♪ *♪この名刺だが、勝手にポケットに入れられたんだ。捨てるの忘れてただけだ*♪ *♪本当に?俺に隠れてまた行こうとしてたんじゃ無いですか?*♪ *♪そんな事する訳無いだろう*♪ *♪大事に持ってたって事はそういう事でしょう?俺に気にせず行って下さい*♪ ミキのLINEにムカつき、もう、こんなややこしい遊びに付き合ってられ無いとミキの元に行く。

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