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第147話

DL着くまでの車の中では、真琴君がミキを離さずお喋りしっぱなしで、俺はミキと全然話が出来なかった。 その代わり祐一と仕事の話や世間話をして過ごした。 真琴君も久しぶりだから話たい事もあるんだろう、それも車の中だけだと思っていた。 目的地のDLは日曜でそれなりに混んでいた。 ゲ-トを潜るなり真琴君がミキの手を引っ張って「ミキ、ドナルドダックいるよ」「あっちにプ-さんいる」「シンデレラいる」と言っては連れ回し、俺と祐一は何して良いのか立ち尽くしていた。 そんな俺達に気が付いたのか?ミキが手招きして呼ぶ 「伊織さん達、こっち、早く」 祐一と2人で歩き側に行くと真琴君がグッズ見みたいと言うので売店に着いて行く事になった。 4人で売店の中を見て回るが俺と祐一は浮いてるようで気恥ずかしかった。 「ねえ、折角来たんだから、カチューシャ買おうよ。ミキは何が良い?ミニ-ちゃんは?」 「やだよぉ。責めてミッキ-かドナルドが良い。あっ、スティッチがいい。可愛い」 「じゃあ、ミキはスティッチね。僕はミッキ-にする。祐さんと成宮さんは?」 おいおい、俺達がカチューシャかよ!マジ、無理だ。 祐一を見ると祐一もまさか自分達もカチューシャ着けるとは思って無かったんだろう目を大きくして驚いていた。 「マコ、それはちょっと恥ずかしいから無理だな」 やんわりと断ってる祐一に真琴君はテンション高く話す。 「え~、折角来たんだから皆んなでカチューシャ着けようよぉ。ここでしか着けられ無いし、皆んなしてるから大丈夫だよぉ」 祐一はグッズ売り場を見回し 「ん~、マコ。責めてキャップにしてくれ、俺は」 何だよ!俺はって?じゃあ俺はカチューシャかよ、絶対に無理! 「真琴君、俺もキャップでいい。ちょっとカチューシャは無理」 祐一を睨み話すが祐一は知らん顔して惚けてるのがムカつく。 危なくカチューシャ着ける羽目になる所だった。 「マコ、伊織さんと祐さんはキャップでいいじゃん。キャップも買えば借りられるし」 ミキが助け船を出してくれて、どうにかキャップで免れた。 自分と祐一のカチューシャ姿を想像するとゾッとする。 グッズ売り場でカチューシャとキャップを買うと今度は乗り物に乗る事になり、2~3個乗ったがどれも待ち時間が長く、その上待ち時間の間もミキと真琴君、祐一と俺で結局乗り物も祐一と乗ってるこの状況に俺はイライラしていた。 昼前に少し休憩する事になり「楽しかったね。祐さん達慣れない所で疲れた?少し休んでいて、飲み物買ってくるね」と言って真琴君がミキを連れ歩いて行った。 俺と祐一はベンチに座り待つ事にしたが、俺は祐一に文句をつけた。 「幾ら、ミキと久しぶりって言っても、あんなにベッタリして離さないって酷く無いか?俺はミキと話も出来無いし乗り物も乗れない。何の為に、こんな所に来たのか解んねぇ」 「ま、昔からミキにはそうなんだ。伊織と付き合い始めたから少しはミキ離れするかと思ったが、逆に遊べ無くなったから久しぶり過ぎてベッタリになってんだろ?」 「お前、それでいいのか?俺はミキと居たい」 「ま、俺もマコと一緒に居たいが……。ん、そうだな。ちょっとマコも度が過ぎるな」 これからどうするか?と話てるとそこに甲高い声がした。 「あのぉ、写真撮って貰っても良いですか?」 2人組のOL風の女が声を掛けてきた、その時は写真を撮るのは良くありがちな事で何とも思わずにいた。 「あっ、はい」 「じゃあ、お願いしますぅ」 写真を撮りスマホを渡し、祐一の元に戻るとOL風の2人も着いて来た。 まだ、写メ撮るのか?と思っていたら 「あのぉ、2人で来てるんですか?私達も2人なんで一緒に回りませんか?」 俺達を挟んで両側に良いとも言って無いのに勝手に座って来る図々しいさ。 こんな夢の国で軟派⁇ 祐一はガン無視と決めたらしく、俺に断れと目で訴える。 お前が断れよと目で訴えるが、昔っからこいつは興味無い事とか面倒な事は一切何もしない奴だと思って、仕方無く口を開こうと思った所に運悪く 「祐さん‼︎」 声が聞こえた方に顔を向けると買ってきた飲み物を落とし「祐さんのバカぁ」と言って走り出した真琴君。 「後は頼む。LINEか電話する」 真琴君の後を祐一は追いかけて行った。 「チッ!あのヤロ-.押し付けやがって」 小さく呟く。 その2人の行く方向をミキはボ-と見ていた。 「悪いけど、4人で来てるんです。待ち人来たんで行きます」 俺は直ぐに断りを入れ、ミキの元に行こうと歩き出すがミキもフラフラと歩いていく。 「ミキ‼︎」 声を掛けると立ち止まるが振り向か無い。 マズイな、怒ってるのか? 「さっきの女達は写真撮って欲しいって言われただけだ」 ミキの前に回りありのままの事実を話す。

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