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第148話

「あっ、伊織さん。マコ達、大丈夫かな?喧嘩してたら、どうしよう」 真琴君達の事の方が気になり、さっきの女達の事は気にして無いようで安心したが、俺達の事より真琴君の心配をするミキに今日の不満を少しだけ話す。 「ミキ、真琴君の事は祐一に任せておけば良い。それよりずっとミキを真琴君に独り占めされて俺は寂しかった。真琴君より俺の事考えろよ。折角、DLまで来てるのにミキと回れずにいるんだ」 ハッとした顔になり申し訳無さそうな顔をする。 「伊織さん、ごめんなさい。マコと久しぶりだったから。それにマコ、祐さんと来れて嬉しいみたいなんだけど、マコ素直じゃないから」 「そうか。でも、今からは真琴君は祐一に任せて良い、解ったか?」 「はい。俺も伊織さんと一緒に見て回りたいです」 「じゃあ、あまり待たない乗り物を探して乗るか?」 手を繋ぎ歩き出す。 「伊織さん、手。手」 「気になるか?皆んなキャラクターや乗り物に夢中で誰も見てないし、ミキもカチューシャしてるとボ-イッシュな女の子にしか見え無いから安心しろ」 薄いピンクの大きめのサマ-セ-タ-着て、カチューシャ着けてると本当に女の子にしか見え無い。 離さないとギュッと握り締めズンズン歩き出す。 比較的空いて直ぐ乗れるのが客船だった。 「結構、見晴らし良いな」 「そうですね。気持ち良いです」 ずっと手を繋いだまま話をした。 今日、側に居るのに離れていた様な感覚でいた時間を埋めるようにミキの側を片時も離れなかった。 客船を降りて♪♪♪♪電話が鳴った。 画面を見て「祐一からだ」 「おう、何?」 「昼だろ?予約してるレストランにいるから来いよ」 「そんな時間か、今から行く」 「待ってる」 用件だけ言い直ぐ切り、ミキとレストランに向かう。 祐一と真琴君はテ-ブルに着いていた。 「マコ、ごめん。遅くなった」 「大丈夫だよ。祐さんと今、来たとこだから。ね、祐さん」 「ああ」 目と目を合わせ話す2人に何と無くイチャイチャしてるように感じた。 このヤロ-あの後上手くやりやがったな、まあ良い、真琴が祐一と一緒に居てくれた方が俺的には望む所だ。 予約していた昼飯が運ばれてくると「わぁ、可愛い」「食べるの勿体無いね」とミキと真琴君がキャッキャッするのを可愛いなぁと思ったがまた、ミキを独り占めされたら敵わないと食べながら祐一に提案する。 「なあ、祐一。午後はお互い別行動しねぇか?夜のパレードで集まるって事で良くねぇか?」 午後からは絶対ミキを独り占めしたいしミキと回りたい。 「良いぜ」 あっさり言われ気が抜けた、真琴君は特に何も言わず祐一に任せているようだった。 よし、これでミキと居られると目で祐一にサンキュ-と合図する。 祐一も頷き、真琴の耳元で何やら話し掛け、真琴君も嬉しそうにしていたから良いんだろう。 昼飯を食べ終わり祐一達と分かれ、ミキとアトラクションに行き、カリブの海賊やホ-ンテントマンションでは暗いのをいい事に、軽めのキスを何度か人の目を盗んでしたり、プ-さんのハニ-ハントやミニ-の家、3D.スモ-ルワ-ルド.ピータ-パンの空の旅.ショ-など混雑を成る可く避けて色々回り、ミキが嬉しそうにしてたり「可愛い.可愛い」って騒いだりと忙しそうにしている姿が、どのキャラクターより1番可愛いかった。 「記念に何か買いたい」と言うから休憩がてらグッズ売り場に行く事になった。 「何、買うんだ?」 「決めて無いけど……。ぬいぐるみは1つは、買おうかなぁ。ミッキ-とミニ-も可愛いんだけど、俺はドナルドダックかスティッチの方が好きかな、伊織さんは?」 「ディズニ-自体興味が無いからなぁ」 正直に話す。 「俺も凄く好きって訳じゃないんですけど…見て可愛いとかそんな感じですよ。伊織さん、もしかして無理に合わせてくれました?」 「いや、無理って言うか今まで来る機会が無かったから、1度来ればどんな感じか解るかと思ったが、混むし時間掛かるしで暫くはいい」 「ここは待つのが苦手な人は無理ですよ。待ち時間も楽しまなきゃね」 「ミキとなら楽しめる」 商品を物色しながら話し、結局ミキはドナルド&デイジ-とスティッチ&エンジェルのぬいぐるみを買った。 「ぬいぐるみが好きなのか?4体も買って」 「ん~特別好きって訳ではありませんよ。ドナルドとデイジ-は伊織さんの車の助手席に置こうかなって、俺の代わりに座って貰うんです。で、スティッチは俺の部屋にエンジェルは伊織さんの部屋に…今日の記念にエンジェル見て思い出して下さいね。後、俺が居ない時に寂しく無いように置いときますね」 全く、可愛い事を無自覚にする困った奴だ。 抱きしめてキスしたいのを我慢するのが、どれだけ大変か解って無い。 可愛い過ぎだ。 「そうか、大切にする。ぬいぐるみもミキも」 「伊織さん…」 俺の名前を小さく呼び、耳元で可愛い事を話す。 「大好き。俺も大切にします」 俺は我慢出来ず、直ぐに売り場を出て薄暗い中、荷物を持ち歩き出し、近くで空いていたホ-ンテントマンションに乗り暗闇でキスをした。

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