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第150話
「んじゃ、またな」
「ああ、またミキと飲みに来い」
「ミキ、またね。今度は2人で、ご飯でも行こう」
「うん、マコまたね。祐さん、ありがとございました」
祐一達とマンション前で分かれ、やっと自分の部屋に着いた。
「はあ、疲れたぁ。聞いてはいたが、やはり混雑が凄いな」
ドサッとソファに凭れた。
「明日、祭日で連休ってのもあるのかも。でも、夏休みとか学生が休みの時の方がもっと凄いですよ。はい、コ-ヒ-」
自分も疲れてるのに、コ-ヒ-を俺の為に直ぐに入れてくるミキの優しさを感じた。
「ありがと。ミキ、ゆっくりしろ。疲れただろ」
「ん、疲れたけど凄く楽しかった。久しぶりにマコとも遊べたし、祐さんの新たな1面が見れて楽しかったです」
「祐一の?」
「祐さん、あんまり大笑いしないから。笑うのは営業スマイルが多いから何か新鮮だった。伊織さんと冗談言ったりして。マコに言わせると一緒の時は、結構笑ってるらしいですけど、やっぱり恋人の前だと違うんですね」
「そりゃあ、そうだ」
「後、マコの事慌てて追いかけて行ったのも意外でした。マコが戻って来るまで、待ちそうなタイプだと思ってたから。マコ、凄く嬉しそうで良かったです」
「祐一も真琴君の事は、ちゃんと考えているって事だ。あいつは解り難いからな。確かに俺も学生の時以来かもな、あいつのあんな笑った顔見るのも久しぶりだ。自分の店、持ってから突っ走ってたからな。真琴君に出会って守るものと安心して帰れる場所が出来て、少し余裕が出来たのかもな。そう言えば、俺も働き始めてからは、店でしか会わなかったから、あいつの営業スマイルかシニカルな笑い方しか見てなかったな」
「じゃあ、祐さんにとっても気晴らしになったのかな?なってくれれば良いけど」
さっきから祐一と真琴君の話ばかりで、少し妬ける
「ミキ、さっきから祐一と真琴君の話ししかして無いぞ。祐一の事は真琴君に任せれば良い。俺の事も少しは構え。行きも帰りも車の中ではミキを真琴君に独占されて……。今は2人だ、俺に独占させろ」
ソファに横になってた俺の側に来て
「膝枕しますか?」
少し考え、腕を引く。
「膝枕も良いが、こっち来い」
「わっ、重いですよぉ」
俺の上に乗せ抱きしめる。
「はあ、やっと独占できる」
「重く無いですか? ふふふ… 俺もギュッとして良いですか?」
抱きしめ返して満足顔で微笑む。
「やっぱり、伊織さんの腕の中が1番安心します」
「俺もだ。ミキを抱きしめて側に居てくれる、それだけで幸せを感じる」
「嬉しいです」
後頭部を撫でてると俺の胸に顔を埋めていたミキが顔を上げ目線を合わせる様な体勢で
「伊織さん、今日はありがとうございます。本当は無理してたんですよね?俺とマコを楽しませる為に。そういう伊織さんが大好きです」
俺の頬に両手を添え額.上唇.下唇、最後に咥内で舌を絡めるキスをし離す。
そんな可愛い事されたら堪らず、ミキの後頭部に手を置き引き寄せ濃厚なキスを仕掛ける。
クチュクチュ……舌を絡め逃げる舌を追い絡めとる。
「はぁはぁ伊織さん……」
「ん…ミキから仕掛けてきたんだからな」
「ふぅ。じゃあ、責任取りますね」
俺の耳元で囁く。
「?」
どうするつもりなのか?解らないが、ミキの好きにさせようと暫く様子見る事にした。
額.頬.唇と順番にチュッチュと口づけて耳の中もクチュクチュと音をさせ舌を入れ、耳の後ろから首筋を伝い舌先を滑らせ、俺のブル-のシャツに手を掛けボタンを外していく。
ミキの意図する事が解り、積極的なミキに戸惑いと嬉しさが溢れ、ミキの妖艶で誘う目と顔に俺はドキドキした。
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