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第167話
「だめだ。今日は無理だ…本人に聞かないと」
「○△□○△□○△□」
「シツコイなあ。こっちから連絡する」
「○△□○△□○△□○△□○△□」
話し声で、目が覚めた。
焦点が定まらない目で見るとベットヘツトに体を預け、伊織さんが携帯片手に誰かと話しているけど、相手の声は漏れ聞こえるだけで何を話してるか解らないけど、伊織さんが困った顔だけしているのは解った。
そんな顔をさせたく無いと腰に手を巻き付け擦り寄ると俺の頭を撫でてくれる。
「んん…伊織さん?」
「ミキが起きた。電話切るぞ。こっちから連絡するから掛けてくるな」
携帯を切り電源も切ってまた、ベットに入って腕枕をして、おはようのキスをくれた。
チュッ.チュ。
「おはようございます。電話切っちゃって良かったんですか?」
「ああ、沙織からだ。2回も電話掛けてきてシツコイ」
「えっ、何かあったんですか?」
「何も無いが、ミキに会わせろとシツコイ。この間も言われたんだが……。今日は動けないだろ?だから無理って断ったが、明日は?ってシツコイ。だから、本人に聞いて連絡すると言って切った」
「そうなんですか?沙織さんに俺の事話したんですか?」
「ああ、初日に会った時にな。専務には内緒にしてくれって言ったから大丈夫だ。俺は専務にも会社にもバレても構わないが……一応、口止めはしたから安心しろ。ま、沙織も専務も俺が女がダメだと知ってるから別に偏見は無い。俺が女をダメな理由も何となく見当がついてるんだろうし」
俺の為に口止めしてくれた優しさと同時に、昨日の話しを思い出し辛くなる。
「そう言う顔するな」
「ごめんなさい。聞いてもいいですか?」
「なんだ?」
「今は、ご両親とは?」
「ん~ん、そうだなぁ。どうかなぁ、可もなく不可も無くって感じか。必要なら連絡はするし、家に行く事もある程度か。思春期の頃は嫌いで汚いとか恨みもしたが、段々と大人になり親の事って言うか大人の事情みたいなのが、理解できる程度には回復してる。父親の仕事が面白い時期.母親が育児放棄してまで女でいたかったのもな。今はそれぞれパ-トナ-と暮らしているしお互い俺も含めて干渉しないし必要な時は連絡する方が俺達、家族には合ってると思ってる。ミキが思ってるより悲観的では無いから安心しろ」
頭をぽんぽんし本当だと言う意味も込めた。
「寂しいですけど…連絡も口も利かないより断然良いです。これからは伊織さんの家族には俺が居ます」
「ありがとう。本当に良く出来た優しい奥さんだ」
ふふふふ「そう思ってるのも今だけですよぉ〜。その内、尻に敷いてやりますから」
「おいおい。恐いなぁ。尻に敷かれるのは構わん。その代わり俺は尻に挿れるからな」くっくっく
「もう、ほんとぉ~に、エロ親父になるぅんだから」
頬を染め文句を言う姿が相変わらず可愛い。
雰囲気を明るくしようと冗談を話すミキに癒される。
「そうだ。さっきの沙織さんと会う事ですが、伊織さんが良ければ俺は会いたいです」
「別に会っても仕方ない相手だぞ。嫌な噂の相手だ、無理する事無い」
「ううん。確かに伊織さんのお見合い相手なら嫌だけど、伊織さんの幼馴染なら是非、会いたいです」
「ミキがそう言うなら……。今日はミキも体動けないだろうし、俺もイチャイチャしたい。明日で良いか?それで連絡しておく」
「はい。お願いします。俺も伊織さんとずっと側にいて、イチャイチャしたいから」
可愛い顔で可愛い事を話す。
「あ~、ほんとにミキと会えて良かったぁ。愛し過ぎて可笑しくなりそうだ」
「大袈裟です」
大袈裟でも無い。
ほんとにミキが居なくなった時、俺の世界は色を無くすだろう。
狂ってしまうと自分でも恐怖すら覚える、その位には自信がある。
「俺の為にも、ずっと離れず側に居てくれ」
「昨日、約束しましたよ。忘れたの?愛してます」
「俺もだ」
それから有言実行でイチャイチャモ-ドからHモ-ドになり午前中から盛ってしまった。
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