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第179話

あれから客間に閉じ籠り、1人で考えていた。 最初は喧嘩してる最中に、声を掛けられる所で飲む伊織さんの神経が信じられないと腹を立てていたが、段々と落ち着いて来た。 そう言えば、祐さん「伊織が探し回って、俺の所に来た」って言ってたな。 俺がマンションに居なかったから、色んな所を探してくれたんだ。 そう言えば、携帯の電源入れて無かった事を思い出し、電源を入れると着信とLINEが、何度も入っていた。 LINEを開くと ♪*どこにいる?連絡くれ♪* ♪*心配してる♪* ♪*頼むから、連絡くれ♪* ♪*俺が悪かった。話し合おう♪* ♪*ミキ、愛してる♪* 最後のLINEは涙で、字が歪んで見えた。 俺はこんなに愛されてるのに…伊織さんを信じてるけど、俺の嫉妬で馬鹿な事をしてると後悔し始めた。 そう思い始めていた時に、マコが顔を出し 「ミキ、ちょっと良い?」 「うん」 俺の隣に座ったマコが話し出す。 「祐さん、余計に拗(こじ)らせたって、気にしてる」 「うん、ごめん。俺も感情的になっちゃって。今、反省中。祐さんにも後で誤っておく」 「そう、落ち着いたんだね。じゃあ、昼ごはんにしよう」 「うん。マコ、ありがとう」 そして、俺達は遅い昼ごはんを食べ、夕方に起き出した祐さんに謝って挨拶して、自分のマンションに帰る電車の中で、部屋に着いたら伊織さんに電話しようと決めていた。 マンションに着き部屋に入って、電気をつけると声を掛けられた。 「ミキ、おかえり」 伊織さんがソファ-に座って待っていた。 「どうして?」 「明日、仕事だし。そろそろ、帰って来るかと待ってた」 俺は喧嘩して、意気地無く電話で済まそうとしたのに伊織さんはちゃんと向き合おうと行動に移してくれたその事が嬉しくって涙が溢れてきた。 そのまま立ち尽くして、話し始めた。 「グスン…伊織さん…伊織さん…グスングスン……。伊織さん、ごめんなさい。俺…俺…伊織さんの気持ち全然考え無いで。マコにも伊織さんの気持ちが普通なんだって言われて…自分も逆の立場ならどう?って言われて…初めて伊織さんの気持ちが解った。ごめんなさい」 あんまり素直に話すミキに意表を突かれた。 「その事は俺の嫉妬だ。目の前に居もしない相手に、過去の相手にな。それに言い過ぎた。後で、冷静になってミキの優しい性格なら、解りそうなのに嫉妬で我を忘れた。すまん」 「俺こそ、伊織さんが祐さんの店で飲んで、声を掛けられるって思ったら嫉妬した。伊織さんを信じてるけど……喧嘩中なら万が一誘われて……そう思ったのも本当です。嫉妬して疑ってしまった。ごめんなさい」 「いや、俺がそんな状況なのに疑われる事したのが悪いんだ。真琴君の所に居るって解って、気が少し緩んだが、本当にミキ以外は眼中に無い。誘われても断ったし、その気にもならなかった。信じてくれ」 「はい、祐さんにも聞いてます。伊織さん、ごめんなさい」 「ミキ、もう、謝るのはよそう。お互い謝ってたら切りが無い。そんな事より、いつまでそこに居るんだ。早く、抱きしめさせろ」 手を広げ待って居てくれる伊織さんに抱き着き 「うっうう~えぐっ…グスングスン…伊織さん…え~ん…うえ~ん」 我慢しててんだろう泣き出したミキをギュッと抱きしめ耳元で囁く。 「ミキ、帰って来てくれてありがとう。やっと安心できた。……それでだ、明日仕事だが、これから俺のマンションに来ないか?ミキを抱きたい」 ミキの泣き声が止まった。 「ダメか?精神的には満たされたが、体でもミキが俺の腕の中にいる事を戻ってきた事を確認したい。抱きたいんだ」 「……俺も、抱いて欲しいです」 ギュッと抱きしめ「ありがとう」囁く。 それからの、俺の行動は早かった。 ミキに明日、俺の所から出勤する用意をさせ、車に乗せ俺のマンションに辿り着く。 ミキの部屋から俺のマンションまでも長く感じ、駐車場からエレベ-タ-に乗り部屋までも長く感じた、その間ずっと離れたく無いと手を繋ぎ握り締めた。 玄関のドアを開け靴も脱がず、ミキを玄関の壁に押し付けて唇を奪う。 咥内に舌を捻じ込み我慢出来ないと、舌を絡めとり咥内を舐め回し、唾液を吸い取る様に吸いつき唇も吸い取る。 「はぁはぁ…伊織…唇、腫れちゃ…はぁはぁう」 「あっ、悪い。まだ、玄関先だった。余裕が全く無い」 「はぁはぁ…余裕…なんて…要らない」 その言葉で靴を脱ぎ、ミキの腕を掴んで寝室に直行した。

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