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第192話
デザ-トのケ-キとコ-ヒ-が運ばれると、ミキは蔓延の笑みで微笑み幸せそうな顔を見せる。
苺のショートケーキだが、何層にもなってるスポンジの間に苺がふんだんに使われていて、上の部分にも沢山の苺とピンクのチョコと飴細工の2種類でハ-ト型の飾りがあり、見た目もクリスマス用に可愛いらしい。
「わっ、凄く可愛い。食べちゃうの勿体ない」
クリスマス用にデコレーションされたケ-キを見て写メを撮り出す。
「食べちゃう前に写メだけして、今度、マコと沙織さんにも見せてあげようかと」
「そうか、それより早く食べてみろ」
「どこから食べようか迷っちゃうな?」
そう言いながら、端から1口食べ始める。
「伊織さん、伊織さん。メチャメチャ美味しいです。本当に、ほっぺたが落ちそうな位」
両頬に手を当て、蕩けそうな目で微笑む。
その仕草が、外見の美貌と違って可愛いもんだから、周りから溜息が出たのが解った。
「美味しいのは解るが、あまり可愛い顔を見せるなよ見ていいのは、俺だけなんだから」
「?」
天然のミキには解って無いようだ、仕方無いなぁと思いながらケ-キを食べる。
「本当だな。クリ-ムが甘過ぎず苺が良いアクセントになってるし、スポンジもふわふわだな」
「そうでしよ、そうでしょ。見た目もだけど、味も本当に美味しい。これなら、何個でも食べられるぅ」
美味しそうに、大事に大事に食べる姿を見て、もう俺は満足しコ-ヒ-を飲みながら、可愛いミキの姿を見詰めていた。
「あ~あ、最後の1口。ん~美味しい」
本当になんて可愛いんだ。
「ミキ、半分食べるか?俺は、もういい」
「えっ、いいの?じゃあ貰っちゃう」
「ほら、口開けろ」
フォ-クに1口大にして乗せ、口元に持っていく。
「え~、自分で食べますって」
恥ずかしそうに話すが聞こえない振りをし、ほらっと催促する。
少し周りを警戒して口を開け、パクッと食べ
「ん~、やっぱ美味しい」
また、口元に持っていくと、1度してしまえば気にならなくなったのか、直ぐに口を開きパクッと食べる。
「本当に美味そうに食べる。ほら、最後の1口だぞ」
「いいの?最後は、伊織さん食べないの?」
「俺はいい。ほら」
「じゃあ、味わって食べないと」
パクッと食べ満足気だが、口の端に生クリームが付いているのに気付かずにいて可愛い。
口の端の生クリームを、人差し指で取り舐めてやる。
「い…伊織さん、言ってくれれば良いのに…」
照れてる顔が可愛く、俺はイチャイチャ出来て大満足だった。
料理を食べワインも飲みデザ-トまで食べ、コ-ヒ-で食事も終わりだ。
「伊織さん、どれも凄く美味しかったです。特にケーキが美味しかった……けど、食べ過ぎちゃったかも……」
本来は食事して、そのままホテルの部屋に行く予定だったが、ミキが女装してる事もあり、もっと気にせず普段出来無い人前でのイチャイチャをしたい。
「食べ過ぎだけか? 酔っては、いないか?」
「ワイン1杯だけですから…」
「そうか、少し外に出て散歩するか?街中はイルミネーションが点灯して綺麗だから、見て歩くのもいいだろ?」
「はい、行きたい!」
「少ししたら、出るか?」
「はい。伊織さん、あまり遠くは行けないです。ハイヒール慣れないから歩き難いので」
「そんな遠くには行かないから安心しろ」
「良かったぁ。沙織さんったら、伊織さんが背が高いからって、少し高めのハイヒールでも大丈夫よって言うですよぉ。履いてみて解ったんですけど、良く女の人は、こんな高いヒ-ルで歩いたり走ったり出来るのか不思議です。尊敬します」
今日の着せ替え人形となった苦労話を少し聞き、それから20分程でレストランを出た。
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