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第204話

「ミキ?」 寝たのか? 顔を覗き込むと、少し疲れて憂いのある顔だが幸せそうな顔で、寝息を立て寝ていた。 その顔を見てるだけで、俺も自然と微笑んでしまう。 ミキと出会えて本当に良かった。 俺はずっと適当に遊んで、仕事一筋に過ごして生きていくんだろうと思っていた。 こんな幸せがあるなんて知らなかった、これもミキと出会えたお陰だ。 「ありがとう」 頭のてっぺんに唇を落とし、抱きしめ直して俺も眠りにつく。 ♪♪♪♪……トルゥ~トル~… 「はい。ああ、お願いします」 電話を切って、隣で寝ているミキを起こす。 「ミキ、起きろ。朝食のル-ムサ-ビスが届く」 「ん、ん~ん。起きる、シャワー浴びてくる」 「ああ、そうしろ。その間に来るだろうから、受け取っておく」 ガウンをミキに渡し自分もガウンを着て、リビングでテレビを付けて待つ。 シャワ-浴びてガウンを着たミキと、簡単なル-ムサ-ビスを食べ、今度は俺がシャワ-を浴びる。 それから、リビングでソファに座ったミキに膝枕をしてもらい髪を撫でられ軽いキスを何度もし、イチャイチャしてチェックアウトまでの時間を過ごした。 「ミキ、その格好で良いのか?着替えは?」 「フロントに荷物預けてます。その中に着替え入ってますが、海に行くなら手も繋ぎたいし気にしないでイチャイチャしたいから、この格好で良いです」 「そうか、ミキが良いなら俺は全然構わない」 ミキは女装の格好をしている。 髪はアップには出来ないから、長いままで化粧も上手くは出来なぁと薄化粧をし口紅も付け着ていたドレスをまた着ている。 どこからどう見ても綺麗な女性にしか見えない。 ミキも気にしないでイチャイチャしたいのか?俺と同じ気持ちなんだと思うとニヤケてくる。 「じゃあ、行くか?お姫様。お手をどうぞ」 「王子様?う~ん、伊織さんは、どっちかと言うと王様って感じかな?よろしくお願いします。王様」 クスクス……笑って腕を組んで来る。 可愛い。 そのままエレベ-タ-で降り、ミキを少し待たせフロントに寄り会計を済ませて、ミキの荷物を受け取り待たせていたミキを見ると、俺以外の奴も「ほ~」「1人かな?」とチラチラ見てる奴が沢山いた。 「ミキ、待たせた」 わざと大きめの声を出し話掛ける。 「彼氏持ちか」「だよなぁ」 聞こえる声に少し威嚇し、ミキの腰に手を回し‘俺のだ’と意思表示をする。 「伊織さん、荷物ありがとうございます」 そんな周りの事など気付かないミキは俺に微笑み話す、その微笑みにまた、ボ-と見惚れてる者が居た。 あぁ~全く、無自覚なのも困る。 「ああ、それより車に行くか?予定通り海に行こう」 早く2人っきりになりたい。 腰に回したまま、地下の駐車場に向かった。

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