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第213話

会社から徒歩20分の所にある居酒屋に到着して、宴会場に入ると、中東担当課の人達は座って待っていた。 上座に4人席があり、そこは部長と課長達の席だろうと中東担当の山中課長が座っていたので、挨拶し端に座り10分程で、部長とアジア担当課の部所の人達と一緒に入って来た。 上座に右端から俺、部長、アジア担当の杉山課長、中東担当の山中課長と座席し、それぞれの前に、縦に部下が座る形になり全員揃った所で、宴会が始まろうとしていた。 総勢20名位だろう。 全員揃ったか?見回し、部長が口を開く。 「全員揃ったか?じゃあ、今年もご苦労だった。今年は成宮課長も赴任し1課は業績も上々だし、アジアも去年の実績を上回っている。中東は少し特殊だが中々奮闘した。今年は海外事業部としても良い結果が出た。これも皆んなの力のお陰だ-----.-------.---------.--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ま、長くなったが、今年もよく頑張った。今日は皆んなの日頃の仕事振りに感謝して一席設けた、今年もお疲れ。それでは乾杯」 [乾杯] 永遠に続くかと思われた部長の挨拶も終わり、部下達はヤレヤレと言う顔をしていた。 隣の部長から 「やあ、今年は成宮君のお陰で海外事業も活気が出た。やはり、アメリカ帰りは違うな」 「ありがとうございます。しかし、私1人の力じゃなく部下が頑張った結果ですから」 「謙遜するな。成宮君は-------------------------- ----------------------------------------------------------------------------------------------------------- 勘弁してくれよと顔に出さず心で思い、適当に相槌を打ち話を合わせ、部長の隣の杉山課長に助けを求めるが、素知らぬ顔で山中課長と話込んでいた。 全く、京都の工場長といい部長といいこの年代は、話が長くて困る。 話を合わせながらミキ達を見ると、田口と佐藤と上野さんと楽しそうに、笑い合って話してるのが見えた。 くそぉ~、羨ましい。 俺もあっちで話したいが無理だろうと諦め、それから部長の若い時からの話しを永遠に聞かされる羽目になった。 これも仕事だと諦め話しを合わせる。 「うわぁ、課長可愛そうだな。部長の餌食になってる」 「本当ですね」 思わず同情してしまう。 「ま、それが上司の役目だし課長も解ってるだろう。俺達は楽しく飲もう。俺達にはどうにも出来ないし、2時間の辛抱だ」 「田口さんって、結構冷たいんですね」 「香坂、これも仕事だって課長も割り切ってるから大丈夫だ。俺達が気にしても仕方ないし、部長が気に入ってる証拠だろ?」 「確かに、言われて見れば、どうしようも無いですね」 「だろ?だったら気にするな。あ、上野さん飲んでますか?」 田口さんの話は最もだ。 俺も心で、伊織さんごめんなさいと謝り、宴会を楽しむ事にした。

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