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第218話
湯船に浸かり背後から抱きしめ、後頭部.耳の裏.首筋とキスを落とす。
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ……
肩に顎を乗せ耳元で囁やく。
「はあ~、落ち着く。3日間も、顔も見れずLINEと電話で我慢してたからな」
「伊織さん、くすぐったいです~。それは、俺も一緒ですよ。俺のマンションに来てくれて良かったのに」
「ん。そうしようと思ったが、顔を見るだけじゃ治らないからな。絶対に、俺のマンションに連れてくる自信があったから止めておいた。外回りで忙しいのに、覚束無い足取りと腰痛じゃミキが辛いだろうと思ってな」くっくっく…。
案に連れ込んでセックスすると言ってたのが解ったのか、頬を染めて
「それは困ります。じゃあ、俺は伊織さんの忍耐力に感謝ですね」クスクス…。
「まあ、褒められたもんじゃ無いが、お陰でミキ不足だが、今日でそれも解消されるしな。我慢した分、補充させて貰うからな。」
いつもは残さない首筋と頸(うなじ)にキスマ-クを付ける。
どうせ、明日からは正月休みだ。
遠慮はいらないと、付けたキスマ-クを見て背後で微笑む。
「もう~、今日は甘えん坊ですね」ふふふ…
「沢山、甘やかしてくれ」
後頭部にキスを落とすと、俺に体の全てを委ね、それが安心と信頼を得られてると思うと余計に愛しくなる
「伊織さん。今日は、ありがとうございます」
唐突に言われ何の事やら解らず
「何の事だ?」
「帰りの時の事です。はっきりと誘いを断ってくれて嬉しかったです」
そう言えば、そんな事があったなと忘れていたと言うかそもそも眼中に無い。
「あ~、そんな事もあったな。でも、俺が女がダメな事は知ってるだろう?」
「はい。それは解ってるんですけど…。やはり、誘われてたりとかベタベタされるの目の前で見ると妬けます。女の人がダメだから、誘いに乗る事は無いとは思うけど、解ってても嫌なんです。だから、はっきり断ってくれた時は凄く嬉しかったです」
「断るのは当たり前だろう。たが、忘年会の時は、俺狙いだって途中から解っていたが、会社の人間と言う事で無下には出来なかった。適当に話して、田口の所に避難しようと思ったが、部長にも捕まりどうしようも出来なかった。嫌な思いさせたな。でも、ヤキモチ妬きは俺もだ。ミキが同期の奴と、肩組んだり顔を近づけて話してるだけで、妬けるんだからな」
「あれは、ああいう場でも無いと、お互い忙しくって飲みにも行けないから、話し込んじゃったんです。そんな大した意味ありませんから」
「解ってるが……。ミキに関しては、どうしようも無いんだ。束縛はするつもりは無いんだが…俺のヤキモチは自分でもどうかと思うんだが、これもミキにだけだ」
「でも、嬉しいです。後、タクシ-の中で上野さんに話してた事も、凄く嬉しかったです。俺の方こそ、勿体無い位の人なのに」
「あ~、あれは俺の正直な気持ちだ。まだ、言い足り無い位だ、上野さん相手だから遠慮して話してた位だ。俺の恋人は、寂しがり屋で甘えん坊で、恥ずかしがり屋でイチャイチャが大好きで綺麗なのに可愛い性格で、優しいし素直でそのくせ、色っぽいし特にセックスの時には色っぽ×××…」
まだ言ってる途中なのに振り向き、口に手を当てられ塞がれた。
「や、それ以上は……。聞いてて恥ずかしいのに、もっと恥ずかしい事言わないで下さい。それを言うなら伊織さんこそ、仕事はできるし男前だしモテるし、優しいし器も広いし甘えてさせてくれるし、案外マメだし俺の事大切にしてくれるし、強引な所あるけど引っ張っててくれるし……まだ、言わせるんですか?もう言ってて恥ずかしくなります」
「や、こう言う機会も無いと、ミキがどう思ってるか聞けないからな。ミキがどれだけ俺の事が好きかよ~く解った」
「んもう、わざと言わせてたんですね。じゃあ、これも言っておかないと、エロ親父と絶倫て」
クスクス……
さっきの俺の反撃に出たらしい、可愛い事をするなぁ。
「エロ親父は無いが、絶倫は否定出来ないな。ミキとなら何回でも出来る」
首筋に舌を這わす。
「ん~ん。伊織さんは愛してると、言葉にも態度にも表してくれるのが解るのが1番嬉しい。この腕の中と胸が1番安心して落ち着けます」
ミキの素直な正直な気持ちが解る飾らない言葉が、心に響き愛しさが増しギュッと背後から抱きしめた。
「ミキ、俺もこうしてるのが1番落ち着く。ミキが側にいる事で癒される」
俺の手に手を重ねて
「ありがとう、伊織さん」
もう、限界だ。
ミキを抱きたくって仕方ない。
「ミキ、そろそろ出るか?ミキを抱きたい」
「俺も……伊織さんが欲しいです」
「俺もだ。ミキ、今日は覚悟しておけよ。最低でも3回はするからな」
俺の宣言にミキがクスクス……笑う。
「余裕だな?」
「違います.違います。余裕なんかじゃ無くって、前にも最低3回はするって台詞聞いた事あったなって思って」
「そうか?本当は、3回どころか、抱いて.抱いて.抱き潰してしまいたいんだからな。明日は休みだ遠慮はしない。明日は動けないからな、覚悟しろよ」
これからの事を考えると、ニヤニヤしてしまう。
「ん~、動けないのは困るけど、俺も伊織さんが欲しいから遠慮しないで……ね」
「了承は得たぞ。その言葉忘れるなよ。もう、待ち切れない、ベット行くぞ」
ザバァ~と勢い良く立たせて浴室を出る。
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