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第233話

あれから1時間程、ソファで俺の上にミキを乗せ抱きしめてそのまま少し寝てから、荷物を持って車に乗り食事に行って、今、ミキの部屋でいつもの体勢でテレビを見ながらコ-ヒ-を飲んでいる。 そう言えば、車乗り込む時に助手席に置いてあるドナルド&デイジ-を膝に乗せ、毎回律儀に話し掛ける姿が可愛いかったな。 「久し振り! いい子にしてた?明日から京都旅行だよ。お前達も連れて行くからね。ん、楽しみだねぇ~」 ミキが旅行を本当に楽しみにしてるのが解る。 あ~、可愛いかったなぁ。 本当に、天然でそう言う事するんだよな。 微笑ましい姿に、運転していて旅行を決めて良かったと思った。 そんな些細な事を思い出し、ミキをギュっと背後から抱きしめ幸せを感じていた。 「ん、伊織さん?まだ、少し早いけど、明日は、遠出の運転するからベット行く?」 「ん…そうだな。じゃあ、5分だけこうしてたい」 「甘えん坊さんですか?」 クスクス…クスクス…… 暫くの間そうしてると 「ほら、寝るならベット行って下さい。俺も荷物詰めて直ぐに行きますから」 「ん~、そうするか。早く来いよ」 「解ってます」 直ぐ隣の寝室に入って、パッパッとパンツ以外を脱ぎ捨てベットに入る。 頬を染めて、俺の脱ぎ捨てた服を片しながら、クロ-ゼットから2日分の荷造りをし、部屋着に着替えてベット脇に来た。 掛布団を開けると入ってきて、狭いベットだから自然と近くなり、顔を見合わせて話す。 「暖か~い。伊織さん。明日から楽しみです。運転気を付けて下さいね」 「ああ、明日は早い時間に出るからな。夕方には遅くても着きたいから。明日は長い時間、車の中だ、今日はゆっくり寝ろよ」 「はい、解りました。おやすみなさい」 「おやすみ」 俺の唇に軽くキスし、そのままいつもの体勢で、背を向けるのかと思っていたら、いきなり、俺の頭を胸に抱えた。 ミキの匂いと温もりを感じて、どうしたのか?と思い 「ミキ?いつもの体勢で寝ないのか?」 「ん、さっき伊織さん、甘えん坊さんになってたから……たまには、いいでしょ?」 俺をミキなりに甘えさせてくれてるらしい。 普段、人に甘え無いから、嬉しい様な.小っ恥ずかしい様な不思議な感じだったが、ミキになら全てを見せても受け入れてくれる。 「じゃあ、お言葉に甘えるか。ミキの匂いがする。癒されるな。こんな感じもたまには良いな」 「いつでも甘えたい時は遠慮しないで言って下さい」 ふふふ…… こんな風に自然と出来るミキの優しさが俺がミキを好きな所の1つだ。 ミキの胸に抱かれ顔は見えないが、多分、俺が好きなふわりと花が咲く様に微笑んでいるんだろうな。 「愛してる、ミキ」 俺をギュっと抱きしめ 「俺も愛してます」 そのまま、朝までミキの温もりに包まれて眠った。

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