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第237話
露天風呂と内風呂.和洋室の部屋で、部屋から覗く景色も雪景色で、隣も気にしなくて良い。
やはり、離れにして正解だったな。
和室で、お茶を飲み寛ぎ
「ミキ、露天風呂は後で入ろう。今、露天風呂入ったら、疲れが出て動けなくなる。楽しみは後でとっておこうな。夕飯まで時間がある。本館も見に行って、そのまま近場を散歩するか?」
「はい」
「じゃあ、行くか。外に出るから寒く無い格好しろよ」
Pコ-トとニットスヌ-ドを持ち、俺もチェスタ-コ-トを片手に部屋を出た。
本館の廊下は、ミニギャラリ-になっていた。
色々な絵画を見ながら、土産売り場.館内の大浴場.バ-.リラクゼーション.卓球.と館内を探索し、旅館を出て、近場を散歩する。
「外、寒いですね」
「そうだな。風邪引かない様に、程々にして戻ろうな」
「はい」
散歩道を歩いて降りると、川のせせらぎ.雪景色.情緒がある。
更に、歩いて行くと、旅館.土産物屋などが数件あった。
土産物を見て周り、レトロなゲ-ムを何台も置いてある店(ゲ-セン?)の前で、「やってみたい」と言うので、今のゲ-ムと違って単純な所が新鮮で、やってみると盛り上がった。
対戦したりひとしきり笑い遊び、店の外に出て時間を見ると
「ミキ、もう6時になる。そろそろ旅館戻ろう。夕飯の時間になるぞ」
「はい」
旅館に戻る道でも
「あ~、楽しかった~。昔のゲ-ムって、単純な作りで分かり易くって良いですね」
「そうだな。頭を使わないでシルプルな所が、負けると悔しさが倍増する。つい、ムキになっちまう」
「伊織さん、負けず嫌いですもんね」
クスクスクス……
「ミキこそ、もう1回.もう1回って、何回やったと思ってるんだ。子供みたいだったぞ」
ムキになって、レトロゲ-ムしてる姿を思い出して、余りの可愛さに笑いが漏れる。
くっくっくっくっ……
「ムキになってたの、伊織さんの方です」
「いや、ミキだ」
「伊織さんです」
「ミキだ」
今、お互いムキになって言ってるのに気付き、顔を見合わせて笑う。
クスクスクス……。ははははは……。
そんな感じで、寒い中イチャイチャしながら旅館に戻る。
離れの部屋に戻り
「はあ~、寒かったな?まだ、夕飯まで少しあるから、露天風呂で温まるか?」
「はい。露天風呂入りたい」
浴衣を持ってテラスに出ると、目の前に露天風呂。
脱衣所らしきものは無いから、テラスで着ていた服をパッパッと脱ぎ、一足早く露天風呂に浸かる。
「ふう~。いい湯だ。ミキも早く脱いで入れよ。気持ち良いぞ。ふう~、ああ、生き返る~」
ミキは、脱衣所が無いから恥ずかしいらしく、背中を向けてゆっくり脱ぎ始めた。
タオルで体を隠し
「伊織さん、あっち見てて下さい」
言われた通りに違う方を向いていると、チャポンッと湯に入り始めたのが解った。
外で裸になって見られる位、大した事じゃ無いと思うが、いつまで経ってもそう言う所が初々しい。
そんな事より凄い事を何度もしてるのにと、心で思っていた。
取り敢えず、夕飯も近いし、外から戻って温まる事が今は優先だな。
まだまだ焦らなくとも時間はあるし、お楽しみは後の方がより良い。
そんな事を考えてるとは知らずに、呑気な声が聞こえる。
「あ~、ほんと気持ち良い~」
露天風呂に浸かり、肩に湯を掛け気持ち良さそうな顔をしている姿を見て、連れて来て良かったと思った。
白い肌に、昨日付けたキスマ-クが浮き上がり、とてもエロチックだ。
俺から見える首筋.鎖骨.胸.腕の内側に、無数のキスマ-ク。
昨日、激しく愛し合った証だ。
ミキの白い肌と温まって上気した顔を見て、昨夜のミキを思い出し、俺のモノが頭を擡(もた)げそうになる。
今はダメだ、後でゆっくりと……
ミキから視線を逸らし、目を瞑り温まる事に専念した
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