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第240話
「ん、あ~、良く寝たぁ~」
十分に睡眠を取った所為か?スッキリとした頭で目覚めた。
目を開けると、俺の腕の中にはミキがまだスヤスヤと眠っていた。
確か、夕飯食べた後、ミキにマッサ-ジをして貰った所までは朧気ながら覚えてるが、その後の記憶が全く無い。
もしかして、ミキのマッサ-ジが気持ち良くなり、あのまま寝たのか?
嘘だろ?
頭は、スッキリしてるが、下半身の俺のモノは、スッキリして無いのがその証拠だ。
俺とした事が……何と言う不覚だ。
ミキと露天風呂でまったりと過ごして、そのままセックスに持ち込んで、風呂で1回.ベッドで1回。
最低でも2回はスルつもりだった。
「あ~、時間を巻き戻したい」
思った事が、口から出ていた様だ。
「何で、時間巻き戻したいの?ふぁ~」
「起きたのか?」
「うん。だって、伊織さんブツブツ言ってるから」
「悪い。俺は、昨日あのまま寝たのか?」
「はい、声掛けたけど……疲れてたみたいで。可哀想だから、そのまま寝かせて置きました」
何でだ?そこは、寝てても起こす所だろ?
ミキに言っても無駄だな。
優しいミキに、そんな事出来るわけ無いか。
京都の旅行そのものも楽しみにしているが、夜の方も楽しみにしていた俺としては、がっかりしたのも本当だ。
そんな考えが、顔に出てたのか?
「伊織さん、まだ、今日が有りますよ。折角、京都まで来たんだから、楽しみましょう?取り敢えず、おはようのチュッ」
朝から可愛いミキにデレデレし、お返しのキスをする
チュッチュッチュ……顔中にキスの嵐。
「んもう、伊織さん。くすぐったいよぉ~」
咥内に舌を入れようとした時に
「伊織さん。時間.時間。朝ごはん、食べなきゃ」
時計を見るとまだ、7時だった。
首筋に口づけながら
「まだ、7時だ。時間はある」
あわよくば、そのまま流れで……と考えていると俺の顔を押し退け
「朝のバイキング、ゆっくり楽しみたい」
と言うから仕方無く体を離し、着崩れた浴衣を直し部屋を出て、本館の大広間に向かう事にした。
大広間に向かう最中も
「バイキング、どんなのかな?」「楽しみぃ~」と俺の気も知らず呑気に話すミキが、少しだけ恨めしかった
なかなか豪華な朝食バイキングも堪能し、部屋に戻り朝風呂するか?とミキを誘う。
「ミキ、露天風呂行かないか?」
てっきり喜んで「入る~」と返事がくると思っていた。
「ん~、昨日の夜遅くに入ったから、今はいいです。お腹いっぱいだから、ゆっくりしてますから、伊織さんどうぞ」
「昨日、1人で入ったのか?何で、起こさなかったんだ?」
「気持ち良さそうに寝てたから。朝風呂も気持ち良さそうだけど、夜中も風情があって気持ち良かったですよ~」
俺の質問にトンチンカンな返事をして、テレビを見てる。
「んじゃ、俺、ひ.と.り.で、入ってくるわ」
「はい、ごゆっくり」
1人を強調して言ったが、ミキの性格上、嫌味にもならないとがっくりし、スタスタと露天風呂に入りに行った。
朝の露天風呂は、凄く気持ち良かった。
「ミキの奴、昨日寝たから拗ねてるのか?ミキも旅行だしヤル気でいたのかもな。何で?寝たんだ、バカだな俺って」
露天風呂から部屋の中が、辛うじて見える。
テレビを見て笑ってるミキを見て、露天風呂で昨日の反省とすっかり自分の中では、ミキが折角の旅行で寝てしまった俺に拗ねてると勝手に考えていた。
30分程浸かり、部屋に戻ったら1回位はできるか?と、ウキウキしながらミキの待ってる部屋に戻る。
ガラガラ……
「ミキ?」
さっきまで部屋でテレビを見ていたミキがいない。
洋室から顔を出して来て「もう、出たんですか?ゆっくり出来ました?朝風呂も良かったですか?」
質問責めに合うが、部屋から出てきたミキは、浴衣から洋服に着替えていた。
「ああ、凄く気持ち良かったぞ。ミキも入れば良かったのに。そんな事より、どうした?服なんか着て」
「伊織さんが露天風呂から出てきたら、いつでも出掛けられる様に用意してたんです。伊織さん、出てきたばかりだから、少しゆっくりしてから出掛けましょう」
俺は出掛ける前に1回ヤルつもりだったから、またまた、がっかりしたが、ミキのキラキラした目で出掛ける事を楽しみに言われたら、ヤリたいとは言えなかった。
「……少しだけ、ゆっくりさせてくれ。貴船神社は絶対行くとして、後、他に行きたい所あるか?移動が楽だから車で来たんだ、有効活用しないとな」
「じゃあ、伊織さんがゆっくりしてる間に、スマホで検索して見ます~」
ウキウキとスマホを取り出し調べ始めたミキを見て、今日、2回目の恨めしい顔をしていた。
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