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第245話

電話しておいたお陰で、部屋のテ-ブルには豪華な料理が並んでいた。 「凄~い。美味しそうだけど、食べきれるかな」 コ-トを脱ぎ席に着く。 「ゆっくり食べれば良い。取り敢えず、乾杯しよう」 今日は肉料理がメインで、酒は赤ワインで乾杯した。 カチン。 「「乾杯」」 水菜のサラダ.京漬物.京茄子田楽.湯葉.鴨すき.黒毛和牛のステーキ.抹茶ゼリ-と、豪華な料理を目の前に箸を持って固まるミキが可笑しかった。 くっくっくっくっ…… 「ミキ、迷ってるのは、解るが固まるなよな。ほら、動け。迷うなら、サラダから食べろよ」 素直に、サラダに手を付けてる。 「ん~、シャキシャキして美味しい。このドレッシングも美味しい」 どれを食べても、美味しい顔をする。 俺も料理に箸を付け「この、茄子田楽旨い」 すると、ミキも箸を付け「本当だ~。トロットロで甘くて美味しい」気に入った様だ。 「やはり京都と言えば、鴨と湯葉ですよね。鴨すきって初めて食べるぅ。焼いてソ-スとか鴨そばとかは、食べた事あるけど、楽しみ~」 ウキウキしながら、鴨すきを1切れ食べ始めた。 「どうだ?」 「美味しい。ちゃんと弾力があって噛みごたえもある。伊織さんも食べて」 「確かに、弾力があるな。旨い」 「でしょ.でしょ」 黒毛和牛のステーキは「柔らか~い.赤ワインに合う」と言って飲んで食べる。 「本当に、ミキは旨そうに食べるな」 「だって、本当に美味しいですもん」 2人で食べる夕飯もミキのお陰で、美味しく食べれた。 「ふ~、お腹いっぱい」 「良く食べたな。まあ、昼は軽めにして良く歩いたしな。片付けて貰って、ゆっくりしてから露天風呂に入ろ」 「露天風呂って気持ち良いんですよね~。今日は一緒に入ろ~ね」 酒も入って少し甘えモ-ドか?言い方が可愛い。 暫くすると、仲居さんが片付けに来てテ-ブルの上は、赤ワインだけが残った。 「ミキ、こっちに来いよ」 テ-ブルの向こうにいるミキを呼び寄せ、背後から抱きしめる。 「伊織さん、昨日と今日と凄く楽しかった~。俺をこっちで色んな所に連れて行きたいから、疲れるのを承知で車で来たんでしょう?伊織さんの気持ちが凄く嬉しい~。俺は幸せ者です。ありがと、伊織さん」 俺の腕の中で体勢を変え向かい合い、俺の頬を撫でキスをする。 ちゅっ.ちゅっ.ちゅ。 「好き~……ううん。愛してる」 「俺の方が、ミキの何十倍も愛してる」 2人で顔を寄せ自然に唇を合わせ、ミキの半開きの咥内に舌を入れクチュクチュ…と音をさせ、舌を絡め舌を巻きつけ唇を吸い離れようとするのを、後頭部に手を添え離さないようにし、長いキスをする。 背中を叩かれ、やっと咥内から舌を抜く。 「い、伊織。くる…しい…。はぁはぁはぁ…」 「悪い、がっついた。朝からミキに焦らされてたからな」 「えっ、焦らしてないけど~?」 「そうか?最初は、俺が昨日寝ちまったから拗ねてるのか?と思ったが、その後、何度かキスしようとしたら避けられてるような焦らされてるような感じがしたんだが……。何となく、そんな雰囲気になったら、直ぐに出掛けようって言われたしな」 朝から感じてた事を話す。 「あっ、その事ですか?」 「やはりワザとか?」 「違う、ワザとってわけじゃなく。昨日の夜は、運転で疲れてるのを知ってるから、ゆっくり寝かせたかったし~、伊織さんに抱きしめられて寝られたから満足で拗ねていませんよ~。朝は、俺もシタく無かったわけじゃなく、あのまま流されてたら絶対動けなくなるなと思って、折角、伊織さんが旅行企画してくれたから、旅館だけじゃ無く、色んな所に2人で行ってみたかったから……たくさんの思い出を作りたかった」 「ミキはバカだな。これから嫌って程、たくさんの思い出が出来る。ずっと一緒に居るんだからな。ま、ミキの言い分も解ったし、もう解禁でいいか?」 「……お手柔らかに、お願いします」 「ん、ミキ次第だな。昨日の分もあるからな~」 「伊織さ~ん、2回で……」 「どうすっかな~。いつもミキが飛んでしまうから、1度体力が続く限りやってみたいと思ってたんだが」 「う、嘘。嘘ですよね?明日は、東映太秦映画村に行くって……それに帰りも車ですよ~」 焦るミキが可愛く、つい揶揄ってしまう。 くっくっくっくっ…… 「伊織さん! 笑ってるって事は、揶揄ったんですね~」 膨れっ面の顔も可愛い。 「まあ、明日は予定通り東映には行くし、車で帰るから今日は程々にするが、俺のマンションに帰ったら、さっき言った事は実行するぞ。俺は有言実行タイプだ」 本気半分揶揄い半分で話すと、又々焦るミキの可愛いこと。 俺の首に手を回し、下から上目遣いでお願いされる。 「伊織さん。嘘ですよね?また、俺を揶揄ったんですよね?俺は、理性的な伊織さんが大好きです」 このお願いの仕方は反則だろ?可愛い過ぎだ。 ああ、堪らん。 「理性的な俺は、仕事で十分見せてるからな。プライベ-トは、野生的な俺もたまには良いだろ?」 くっくっくっくっ…… 「そんなぁ~」 胸に額を擦り付ける仕草が可愛い。 堪らず、そのまま横抱きで露天風呂に向かった。

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