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第251話

「ん…んん」 目覚めの良い朝に目を開けると、目の前には端正で精悍な男らしい顔で寝ている伊織さん。 暖かいと思ったら、伊織さんが俺を抱きしめて規則正しい寝息をさせ目を閉じていた。 眠ってる伊織さんの顔をジッと見て、チュっと触れるか触れないかのキスをする。 「いつ見ても、男らしくカッコいいなぁ~。羨ましい」 起こさない様に、小さく呟き独り言を話す。 不意に、伊織さんの口元を見てると、いつもセクシ-な口元だなぁと思っていたが、今日は凄くイヤラしく見えた。 昨日の夜の事を思い出し「やらしい口」と、心で思ってた事が口に出ていたらしい。 恥ずかしくなって、布団に潜り込む。 「ふあ~、何がやらしい口なんだ?朝から、変な事言ってどうした?」 今、起きた伊織さんは何の事か解らずにいて、聞かれても答えられなく黙ってしまう。 「…………」 「何?言えない事か?隠し事か?」 顰めっ面で話す伊織さんに渋々話す。 「………大した事では、無いんです。起きたら伊織さんの口元を見て、昨日の夜に、この口で俺の……だめ言えないです」 恥ずかしくなり、もう1度布団に潜り込む。 「は~ん、そう言う事か。朝、起きて俺の口を見て、昨日の夜に俺がミキのモノをフェラした事や後孔を舐めた事を思い出したってわけか」 布団の上から、恥ずかし気も無くあからさまに話す伊織さんに、布団から目だけ出し渋々話す。 「……昨日の夜の事は、全部は覚えてませんが所々は断片的に覚えてます。……昨日は、俺もおかしかったから忘れて下さい」 「ん~、いつになく積極的でノリノリだったよな~、ま、俺もつい頑張っちゃったけどな」 「い、伊織さん……自分でも解んないけど…凄く淫らだったかも……嫌いになっちゃった?」 自分で言ってても恥ずかしく、もう、布団から顔を出せ無かった。 布団事抱きしめられ声が聞こえる。 「嫌いになるもんか。いつものミキも良いが、積極的で俺の愛撫に淫れるミキも魅力的だった。寧ろ、大歓迎だ。言っただろ、どんなミキも変わらず愛してるって」 そう言ってギュ-.ギュ-と抱きしめてくるから、布団の中で苦しくなって顔を出す。 「く、苦しい~」 「やっと、顔を出したな。ほんと可愛いな。体は大丈夫か?一応、体は拭いたが、朝飯食べたら、最後の露天風呂に入ろう。まだ、チェックアウトには、時間は十分あるし」 体をあっちこっち動かし 「大丈夫みたいです」 「ミキは体が柔らかいからな。多少きつい体位でも大丈夫だな、今度はもっと激しいのもイケるか?挑戦してみようぜ。後、もう少し体力つけろよ」 聞いてて、どんどん恥ずかしくなり、布団に少しずつ潜り込んでいき、目だけ出して抗議する。 「伊織さん。言ってて、恥ずかしく無いんですか?聞いてる方が恥ずかしいです」 俺の抗議なんか、痛くも痒くも無いって惚けた顔で話す。 「恥ずかしいなんて無いね。全部、事実だし昨日の夜に立証済みだしな。まぁ、ミキが淫れるのも、全て俺のテクニックの賜物だしな。ミキの弱い所は、把握済みだ」 「伊織さんのばかぁ~。自信過剰.エロ親父.スケベじじい」 「おい.おい。自信過剰は良いとして、エロ親父も半歩譲って許すが、スケベじじいは許さん。こら、ミキ。お仕置きだぁ~」 布団を引張返され、上に覆い被さり両手を抑えつけられ、怒らせた?と不安になり目を瞑った。 「こら~、お仕置きだ。覚悟しろよ」 目をギュっと瞑ると、両目の瞼にチュっ.チュっ、額.両頬.鼻.顎とランダムにキスの嵐。 ちゅっ.ちゅっ.ちゅっ.ちゅっ…………ちゅ。 目をゆっくり開け伊織さんの顔を見ると、蕩けるような幸せそうな顔で微笑んでいた。 伊織さん、幸せそう。 その顔を見たら、俺まで嬉しくなり、まだ唇にされてなかったキスを俺からシタら、もっと幸せそうな顔していた。 旅行最後の朝からイチャイチャした。

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