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第254話
他にも、沢山ある"顔出し看板”で笑いながら写メを撮ったり"太秦トリックア-ト”で、不思議な感覚で色々なア-トでの写メを撮った。
俺的には1番楽しかったのは、嫌がるミキを誘って行った"史上最恐のお化け屋敷”だった。
入口で「入りたく無い」と、ごねてるミキを説き伏せ何とか入る事が出来た。
和物で時代劇風だからか?他とは違う雰囲気が、俺でも背筋がゾワゾワした。
実話を絡めて俳優陣が扮装したお岩さん.番長皿屋敷.藁人形と丑の刻参りとリアリティに俳優が演じて生々しい。
俺でもゾワゾワしていたが、ミキの恐怖は、それの比では無いらしい。
俺の肘をギュッと握り「ギャ-」「こわっ」「来ないでぇ~」叫び、俺も最初は、雰囲気にゾワゾワしていたがミキの叫びと俺に頼って必死に着いてくるミキを愛しく守ってやりたくなり、感じていた恐怖もどこかに吹き飛んでいった。
「ほら、あそこに何か見える」「そこに……」
揶揄う余裕さえ出てきて、その度に、可愛く涙目で反応するミキが可愛いすぎだ。
何とか、お化け屋敷を出ると
「い、伊織さん。凄く怖かったぁ~。日本風のお化け屋敷は、他とは比較にならない位に怖い~」
「本当だな。まあ、有名な昔話に則(のっと)ってリアリティだったからな。尚更だ」
「もう、夜、寝られないかも」
まだ、握り締めてる手をギュッと、上から重ね耳元に囁いく。
「大丈夫、俺がいるし。夜、寝られないなら丁度いいお化け屋敷を思い出せない位に、疲れさせて眠らせてやるから、任せろ」
ニタニタ笑いながら話すと
「い、伊織さん。こんな所で話す内容じゃないですよでも………トイレには、付き合って下さい」
恥ずかしいのか頬を染めて頼むミキ。
「………小学生か」
ははははは………余りにもミキが可愛すぎて、笑ってしまった。
ほんとミキは良い。
「笑い過ぎぃ~。疲れました。どこかで、ひと休みしましょう」
照れてスタスタ歩いて行ってしまうのを追いかけ、休憩する事にした。
休み処で抹茶と和菓子を頼み、暫しの休憩をする。
「疲れた~」
「そりゃ、あれだけ騒いでたら疲れるだろう」
「伊織さん、怖く無かった?」
「ん、まあ、所詮は作り物だろ?ミキみたいに感性が豊かじゃないからなぁ。実際に見た物しか信じないし。霊とか実際あったかどうか解らん昔話なんて怪しい」
ちょっとゾワゾワしてた事は秘密にし、余裕がある振りをする。
「流石、伊織さんですね。俺なんか、今、思い出しただけでも怖い」
自分の体を抱きしめ腕を擦り話す姿が可愛い。
なんで?こんなに性格も可愛い上に、仕草も可愛いんだ?20歳(はたち)は、等に超えてるのにと、お化け屋敷の霊達よりミキの可愛いさの方が、俺には何倍も怖い。
普段のミキからは考えられない、本当に信頼してる人にしか見せない可愛らしさ。
それを知らずに、他の人間が何かの拍子知ったらと思うと………怖い。
「伊織さん?」
「ああ。後はどこか回るか?もう少し経ったら出発しよう」
抹茶を飲みパンフレットを見て
「ん~、後は特に無いですね。少しだけ時代劇セットを、最後に見てみたいです。何か仕事のヒントになる物が有るかも知れないし」
「そうだな。まあ、俺達の仕事も日本の伝統文化を発信するのも1つだしな。良し、見てから帰るか」
「はい。でも、今は、少し休憩」
ミキはスマホを取り出し、映画村に来てからの写メを見せて2人で笑いながら話した。
それから、時代劇セットを何ヶ所か周り映画村を出て京都料理を堪能し、帰る為に高速に乗った。
2泊3日の京都旅行が終わりを告げる。
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