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第273話

次の日から、田口も佐藤もミキも午前中又は午後どちらかは外回り、もしくわ直行直帰の時もあり、皆んな挨拶回りや御用聞きと忙しく飛び回っていた。 俺も主力の業者.各工場.アメリカ支社.G&Kへの電話での挨拶、社内の各部署への挨拶回りと忙しく回っていた。 平日は仕事優先.土日はプライベ-トを優先し、ミキは仕事の都合で、金曜から泊まりに来る日もあれば土曜だけの時もあり、必ず日曜日の10時頃には、自分の部屋に帰ると言う生活パタ-ンが戻りつつあった。 どうしても1日だけの泊まりの時は、ミキを離さずセックスの回数.密度が上がり激しくなってしまい、次の日は殆ど動けない状態のミキのご機嫌とりから始まり、その内イチャイチャとなるのも俺の楽しみの1つだった そんな日々が続き、休み明けから1ケ月過ぎようとしていた。 「成宮君、少し良いかな?」 「はい、大丈夫ですが」 「じゃあ、会議室まで」 雑誌掲載されて、そろそろ来るんじゃないか?と思っていたが、案の定だと顔には出さず部長の後を着いて会議室に向かう。 会議室のドアを開けると室内には、既に国内担当の嶋田課長と国内事業部長が雑談していた。 テ-ブルを4人で囲むと嶋田課長が先に口を開いた。 「仕事中、悪いね。所で、この雑誌のお陰で、国内の方に読者からの問い合わせが多くてね。国内事業部としても活気づいて嬉しいんだが、問い合わせが多くとも、対応が出来ないのが現状でね」 遠回しに言わず、はっきり言えば良いんだがな。 俺が黙っていると業を煮やし、国内事業部長が話し始めた。 「成宮君、どうかね。kawaiiシリ-ズを国内販売させて貰いたいんだが」 考えた振りをしていると、うちの部長から 「成宮君達 1課で作りあげた商品だし、成宮君の意向も聞こうとなったんだが、私としては海外.国内共に販売した方が、会社としての利益に繋がると思ってるがどうかな?」 部長の言ってる事は解り切ってる事だ、建前で話してるが、本音は国内事業に貸しを作って置きたいんだろう、ま、俺も同じ考えだが。 「解りました。但し、いくつかの条件があります。今、うちもアメリカでの売上が順調ですし、少し国内販売は、時期を先にして頂きたい」 「いつなら?こちらとしては、直ぐにも販売したい」 「嶋田課長のお気持ちも解りますが、そうですね。国内販売はGWでどうでしょう?それまでは雑誌にGW国内販売と言う形で、大々的に掲載しては?」 「GWに販売なら助かる」 「生産はこちらと一緒で宜しいですか?但し、国内事業に原価に10%上乗せさせてお渡しします。国内だけで今から生産するのでは、ノウハウも無いし間に合うかどうか。雑誌掲載する際には、国内と海外と両方そちら持ちでお願いします」 「1割増しか。だが、今から大量生産できる業者探すのも大変なのは事実。……条件を飲もう」 「流石に決断が早く助かります。黒系.青系.ピンク系の3種類。4月中旬までには生産させます。 それまでに工場に出荷先一覧をFAXして置いて下さい工場から、直に送らせますよ」 「それは助かる。後、悪いが国内でもkawaiiシリ-ズと言う事で販売したい。宣伝用の物があったら借りたい少しだけ国内用に、アレンジする参考に借りたい」 「解りました。ポップを何枚かお渡しします」 「ありがと」 「国内の販売に合わせてアメリカ限定色を2種類出します。それはアメリカ限定にしますから、そこは了承してもらいます」 「解った。ちなみに、色は?」 「アメリカ人は、はっきりした色を好みますからね。今、考えているのは、オレンジ系.白系を考えてます」 「オレンジと白か。売れそうだ」 「バッグだけで宜しいんですか?サンダルは?」 「今回はバッグだけでいい。畳サンダルは国内ではイマイチ反応が悪い。状況によっては、頼むかも知れんが、今は必要無い」 「解りました」 俺と嶋田課長の遣り取りを黙って聞いていた部長達は、お互いの利害が一致したのかニコニコしていた。 ま、こちらの条件は飲んでくれたし、俺の思い通りに事が運んで一安心した。 工場には、大量生産するように打診する事で話しは、ついた。 まだ、期限に余裕があるので今回はここまでと会議室を出た。

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