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第274話
あの会議から、2日程経った。
ある程度の考えやするべき事を纏め、田口と打ち合わせをしていた。
「悪いな、時間取らせて。佐藤と香坂に話す前に、田口と打ち合わせしておこうと思ってな」
「はい。やはり国内の方から?」
俺は会議室で部長達を交えた話し合いを、掻い摘んで田口に話した。
「そうですか?やはり、雑誌掲載の反響が良かったんですね」
「嶋田課長は ‘手拭い洗顔’の件もあるし、余り貸りは作りたく無かったんだろうけどな。だからと言って、何もせずには居られなかったんだろう。部長を引っ張ってきたのは、そう言う事だろう」
「成る程」
「ま、いい。これで、こっちには貸しが出来たからなそれでだ、条件をいくつか付けて国内販売を承認した田口もまた、忙しくなるが頼む」
「はい。その条件とは?」
「1つは、GWに国内発売する事。2つ目は、国内向けの雑誌掲載する時に、海外向けの雑誌掲載も頼む事。3つ目は、こっちで生産した商品を原価に10%上乗せで買い取る事。ま、3つ目は、今から業者探すのも大変だし、GWには間に合わないだろうからな。今回は、タダで商品回す訳には、いかないからな」
「流石、課長ですね。駆け引きが上手い」
「アメリカで散々してきたからな。それでだ、国内販売との差別化を図る為に、アメリカ限定色として、オレンジ系と白系の2種類をGWに発売しようと考えてるが、どう思う?」
「アメリカ限定って魅力ですよね。良いですね。やりましょう」
「そうか。じゃあ、工場長と相談の上、頼む」
「ゲッ、また工場長の長話に付き合わなきゃ成ら無いのか~」
「それも仕事の内だ。国内は、当初からの黒系.青系.ピンク系のみの販売で、バッグだけだ」
「解りました。工場には、今までの商品の生産を大幅に増やして貰い、アメリカ限定色もGWまでに、ある程度生産して貰います」
「頼む。佐藤と香坂には、今の件を後で話す。2人とも協力の上やってくれ」
「はい」
田口との打ち合わせを終わり、外回りから帰社していた2人にも同様の事を話す。
「佐藤は、ポップ等.販促品を嶋田課長に渡してくれ。それを元に、国内販売用にアレンジするらしいからな。後は、アメリカ限定色のポップの手配も頼む、アメリカ限定を強く強調してくれよ。京都の竹業者にも、その旨も連絡し大幅生産を伝えてくれ。香坂は、オレンジ系と白系の端切れ確保を頼む。田口は、工場の方を頼むな。工場と竹業者との連絡を密に、何かあれば報告してくれ。俺の方から、アメリカ支社には連絡しておく。まだ、GWまで多少の時間はあるが、通常業務と併用して各自対応してくれ。以上だ」
「なんか、1課だけのプロジェクトが、大きくなって会社を動かすって、凄っすね」
「私達が作り上げた物が、こんなに受け入れられて嬉しくなりますね」
「それ程、魅力的な商品でお前達が頑張ったからだ」
「アメリカ限定色もあるし、また協力して頑張ろうな佐藤.香坂」
田口からも言われ2人共やる気に満ちていた。
「「はい」」
こうして、新たなプロジェクトが動き出した。
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