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第278話

ソファで横になりテレビを見ていると、片付け終わったミキが白ワインとグラスを持ってテ-ブルに置き隣に座る。 「どうした?珍しいな。酒飲むなんて」 ふふふ…… 「たまには、良いでしょ?」 グラスにワインを注ぎ、乾杯し口をつける。 「辛口だな?ミキには、合わないんじゃ無いのか?」 俺の肩に頭をちょこんと乗せ、甘える頭を撫で 「どうした?」 「昨日の伊織さん、凄くカッコ良かった。それと、凄く嬉しかった」 ああ~そうか、バレンタインチョコの件かと思い当たりそれで甘えてるのか、可愛い奴。 「ミキが居るのに、当たり前の事をしたまでだ。ミキの前でチョコは受け取れない、ま、最初から受け取るつもりも無かった」 「上野さんも言ってたけど……伊織さんの恋人で、俺は幸せです」 「その、何倍も俺は幸せだがな」 「それで……」 何を言いそびれているんだ? 「どうした?」 顔を覗きに込むと赤くしていた。 まだ、1口か2口しか飲んで無いはず、酔ってはいないよな。 もう1度 「どうした?」 「ん……あの…これ」 ソファの後ろから、綺麗にラッピングした小さな箱を取り出し渡された。 「何?開けるぞ」 中を開けると甘い匂いがし、手作りだと解るチョコが、6粒入っていた。 「これ、ミキが作ったのか?」 頬を染め首を縦に振る。 男同士で、バレンタインは関係無いと思っていただけに、感激が一入(ひとしお)だった。 思わずミキを横から抱きしめ耳元で囁く。 「ミキ、ありがとう。凄ぇ~嬉しい」 頬にちゅっ.ちゅっとキスする。 「そんなに喜んでくれて嬉しいです。女性社員の人が伊織さんに渡すの見て……俺も渡したくなったんです初めて作ったからどうかな?」 1粒口に含むと口の中いっぱいに、甘さとほろ苦いチョコの味が広がった。 「旨い.旨い。それ程、甘く無くほろ苦いのが良い。上に乗ってるはア-モンドか?それがまた良い。ん、こっちはカシュナッツか?」 「良かったぁ~。伊織さんに合わせてビタ-チョコにしたんです。もし、口に合わ無かったらワインで誤魔化そうと思って」 ホッとしたんだろう、ワインをグビッグビッ…と飲む 「ほら、ミキも食べて見ろ」 カシュナッツのチョコを手に取り、俺の口に含みミキの頬に手を添え口移し、そのままお互いの舌で転がし合い、俺の咥内.ミキの咥内と交互にチョコは行ったり来たりする。 クチュクチュ…ヌチャヌチャ…クチュクチュ… 溶けて無くなったチョコ、唾液を吸うと甘い。 今日、初めてのキスにしては濃厚だった。 唇を離し「甘いな」呟く。 「はぁはぁ…激し過ぎ…はぁはぁ」 「嬉しさを表現しただけだ。甘かっただろ?」 「……はい」 俺は一先ずキスして満足しワインを飲む。 「あの…伊織さん」 「ん、何?」 「もう1つ、プレゼントが」 「チョコで充分だぞ」 「京都旅行のお礼も兼ねてと日頃のお礼です。こんな時でも無いと、なかなかお礼出来ないからって言うか俺が伊織さんにプレゼントしたかったんです」 恥ずかしそうに俯きながらも上目遣いで話され、俺はそのまま押し倒そうかと思った。 マジ、可愛い~。 ああ~、この天然小悪魔に、理性が持つだろうか? また、ソファの後ろから、綺麗にラッピングされた細長い箱を渡された。 「……はい、これ。使ってくれたら嬉しいです」 「ありがとう。開けるな」 中を開けると、濃淡がある青系のストライプのネクタイがあった。 箱の中から手に取り 「ありがとう。俺の好みだ。ミキはセンスが良い。有り難く使わせて貰う。本当に嬉しい」 また、抱きしめ今度は額にちゅっ.ちゅっとキスをし、顔中キスの嵐を振らせる。 「伊織さん.伊織さんったら。くすぐったいよ」 「好きにさせろ。可愛いくって仕方ないんだ」 満足いくまでキスをし唇を離し、額を付け合わせ 「ミキ、チョコもネクタイも本当にありがとう。凄え~、嬉しい。もう1つ貰っても良いか?」 何か解らず不思議顔をする。 「何?もう何も無いですよ」 「1番欲しいのはミキだ。ミキをこのまま抱きたい」 「俺は既に伊織さんの者ですよ、俺を好きにしていいのは、伊織さんだけですから、どうぞ」 凄え~殺し文句とミキの可愛さで、さっきから俺のモノが勃ち上がっていた。 「それ良いな。俺だけのミキだ。ミキを好きにして良いのは、俺だけだ」 「そうですよ」 クスクスクス…… 「そうだ、俺は何も用意して無かったからなぁ~。今日は、俺の全てでミキを愛してやる、それで良いか?」 「今日はじゃ無く今日もでしょ?程々でお願いします」 「そうだな、今日もだった。程々と言う生半可な事はしない。この嬉しさを体で返す」 「いや、程々で充分満足ですから」 「遠慮するな。もうお喋りはお終いだ。もう俺のモノも早く早くと待ち構えてるからな」 ミキの手を取り、俺のモノに触らせ上から押さえる。 「すごっ、硬い…大きい。伊織さん、凄い事になってますよ」 お喋りの口を塞ぐ。

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